皆さん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの山田英次です。前回は主導権を持って、「目標利回り」を定める意義について説明しました。今回は、その「目標利回り」の設定について考えてみます。

 繰り返しになりますが、資産運用で良い結果を導き出すための大切なポイントの1つは、「できるだけ高い利回りを狙う」ことをあきらめ、「狙っている利回りの安定的な確保に専念する」ことです。

 ですが、これを実行するのは、実際には至難の業です。なぜなら、実際に資産運用にチャレンジすればどうしても、自分が採用した金融商品以外の利回りも気になります。自分より良い成果を見つければ、やはり、うらやましく感じてしまうからです。

 世の中には、星の数ほど金融商品があります。皆さんが採用した金融商品より、高い利回りを確保しているものは数え切れないほどあるはずです。少々乱暴な例え話ですが、競馬やパチンコなどのギャンブルの場でも、自分より高い利益を得ている人が容易に見つかることに似ています。

 高い利回りを狙えばきりがない、そして危険性も増すと頭では分かっていても、高い利回りを確保している人をうらやむ気持ちや、射幸心を捨てることは、やはり難しいものです。ですが、これができないと、いずれは自分の資産運用がハイリスク・ハイリターンの性質を帯びてしまいます。

 従って、皆さんが「できるだけ高い利回りを狙う」ことをあきらめて、「狙っている利回りの安定的な確保に専念する」ことを本当に実現するためには、運用初期の段階で、自分自身がその利回りを狙うことの妥当性と根拠を明確に理解して、意識する必要があります。この根拠は、うらやむ気持ちや射幸心を打ち消すための、大切な心の支えになります。

 リバランスをテーマにした前々回でも説明しましたが、資産運用では、強い精神力が求められます。その精神力を、生まれ持った資質だけで維持できる人は多くありません。精神力を維持するためには、心の中に生まれる自分自身の運用スタイルへの疑念を打ち消し、その妥当性に自信を持つことが大切なのです。

 この妥当性に対する自信は、目標利回りが、皆さんと皆さんの家族の未来にゆとりをもたらすと確認することで、裏付けされます。