キャッシュフローで収支の推移を確認しよう

 前回解説した「目標利回り」の設定には、数字の根拠が必要です。この数字の根拠は、まず自分が、今後の人生において想定している出費(お金の使い道)を具体的に整理すること。そして、その出費に対する準備には、どの程度の利回りが必要かを考えれば導き出せます。ですが、これを頭の中だけで整理するのは、まず不可能です。

 従って、目標利回りの設定には何か道具を使う必要があります。この、頭の中だけではできない情報の整理に有効なツールの一つが、キャッシュフローです。

 キャッシュフローとは文字通り、未来の「お金の流れ」を見ていくための極めて有効なツールです。まずは、下のグラフを見て下さい。

このグラフは実際のご相談例です。名前を伏せる事を前提に、ご相談されたご夫妻から掲載の承諾を得ています

 上図は夫、妻共に40歳のご夫妻の家計における、今後の出費と支出のバランスをグラフ化したものです。赤い折れ線グラフはご夫妻の収入の推移を、棒グラフは今後見込まれる支出の推移を表しています。棒グラフの色の違いは、出費の内訳を表します。

 例えば、50代半ばまでの家計は、支出(棒グラフ)よりも収入(赤い線)が高いので、毎年貯金できることを意味しています。その後は、子供関連費(教育費)の増加と共に、恒常的な赤字の状態が続くと予想されることが分かります。

 これだけだと、「なんとなく未来が不安」という印象を受けるかもしれません。ですが、このシミュレーションのグラフを基に、金融資産残高の推移予想グラフを作成すると、ご夫妻の未来に潜む課題が明確になってきます。