【必ず役立つ! 豊田直之の撮影“タイガーロール”】

シャッタースピードを操ることで、表現はまったくかわる!

風の止まる一瞬を狙って、もみじの葉が止まるように撮ってみた。下のブラした作品と比較するなら、もっとシャッタースピードは速くてよかったかもしれない。このオーソドックスな撮り方で撮った作品をしっかりと目に焼き付けておいてほしい
【撮影データ】
キヤノンEOS 5D markII、レンズ:キヤノンEF70-200mm F2.8L USM IS、シャッタースピード:1/15秒、絞り:f5.6、ホワイトバランス:オート、ISO感度:1600 テレコンバーターEF×1.4使用、三脚使用
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 今回は前回と同様、少し写真が上手になったと思えるようなコツを教えることにしましょう。テーマは「シャッターースピードを自分なりに操ってみる」方法です。

 スローシャッターといって、シャッタースピードを意図的に遅くして撮る方法があります。カメラのシャッターは、シャッタースピードを速くすると、被写体の動きが止まり、シャッタースピードを遅くすると、被写体はブレて、被写体に動きが出てきます。例えばスポーツの写真で、100m走などの場合、選手の筋肉の躍動の一瞬を捉えるなら1/2000秒などの速いシャッタースピード、選手の動きを残像のようにブラして撮る場合は1/60秒より遅いシャッタースピードの設定で撮ります。

 遅いシャッタースピードで撮るということは、カチャッとシャッターが開いて閉じるまでの時間の被写体の動きを像としてとらえることになります。つまり、人間の目ではとらえられない残像的な表現となります。ここで注意しなければならないのは、中途半端なブレは、撮影の失敗とも見えてしまうので、どうせやるなら派手にブラした方がいいということです。とはいえ、派手にした方がいいからといって、極端なスローシャッターではオバケを撮影したようになってしまいがち。ですから、ここはデジタルですからイメージを確認しながら撮ることが大切です。

 今回はもみじの枝が風に揺れるのをスローシャッターで撮ってみました。被写体をブラすので、手持ちでもいいといえばいいのですが、枝のブレをきれいに押さえるためには、三脚でカメラ側は動かないようにした方がいいでしょう。

 カメラのモードで、Tv(キヤノンの場合)、S(ニコン、ソニーの場合)と書いてあるところがあると思います。このモードにして、シャッタースピードを0.5秒前後に設定します。このとき自動的に絞りの数字が上がるので、レンズの絞りの最大を超えないように注意します。超えてしまいそうなら、ISO感度を少し上げるとうまくいくはずです。

 風が吹いて、枝が大きく揺れるタイミングを見計らって、シャッターを押します。このときもリモートスイッチを接続して、カメラボディのシャッターボタンを直接押さないようにしてやるとさらにいいでしょう。カメラボディのシャッターボタンを押すと、いくら三脚にカメラを取り付けても、わずかにカメラ側でもブレることがあるからです。

 このように撮ると、被写体がまるで残像のようにブレて、普通には見えない幻想的な雰囲気が出てくるはずです。特に動きの大きなものほど大きくブレますから、ブレ加減はモニターで確認しながら、自分のイメージどおりになるまで何回も撮ってみるといいでしょう。ぜひ一度試してみてください。(豊田 直之)

もみじの枝が風で大きく揺らいだ瞬間を逃さずに撮ってみた。枝と一緒に葉が揺れて、まるで鳥か蝶がはばたいているかのような作品になった。このように人間の眼ではとらえられない映像を撮るという方法があり、写真の腕が一段も二段も上がったように思えるテクニックだ。ブレの具合はシャッタースピードで調整可能なので、自分のイメージに可能な限り近づけるように粘ろう
【撮影データ】
キヤノンEOS 5D markII、レンズ:キヤノンEF70-200mm F2.8L IS USM、シャッタースピード:0.5秒、絞り:f16、ホワイトバランス:オート、ISO感度:1600、テレコンバーターEF×1.4使用、三脚使用
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