【ディレクターjinkeの“矢立旅行記”その1】

庭師・田中造景のメーンフィールドは庭ではなくデジカメ?

 島根県撮影ツアーに「OLYMPUS PEN Lite E-PL1」を持っていったのですが、ツアー初日に「jinkeさんが使ってるデジカメ、簡単そうですね。ちょっと、僕にも撮らせてくださいよ」と、あっという間に造景さんに持っていかれました(泣)。そして彼が撮影してきたのが出雲大社のでっかい鳥居。

「鳥居の白と橋の白。これを意識してみました」と造景さん。なるほどねえ……(撮影:田中 造景)(画像クリックで拡大)

 「こんな感じで撮ってみたんですよ」と少し自慢げな造景さん。「なかなか、いい感じじゃないっすか」と僕。彼は気をよくしたのか、日御碕神社の経島でもバシャバシャ写真を撮っていました。

「Sさんの後姿がよくってね」と経島を狙うSプロデューサーを入れてパシャ!(撮影:田中 造景)(画像クリックで拡大)

「デジカメだけを写した写真がなかったですよね」と豊田さんの愛機を撮影。これまた、いいんじゃないですか(撮影:田中 造景)(画像クリックで拡大)

 「jinkeさん、やばいっすねえ。デジカメ、面白くなってきましたよ」と造景さんが、新しいおもちゃを見つけた子供のような顔になってました。翌日、一畑電車の出雲大社前駅を訪れたときも「jinkeさん、車で待ってるんでしょ? じゃ、僕が代わりに撮ってきますから」といって、デジカメ片手にすっ飛んでいきました。「んもー、鉄道関連を撮影するなら僕でしょっ」とジェラシーだったのが前回の矢立旅行記その1だったわけです(笑)

 戻ってきた造景さんは「ほーら、jinkeさん、いいっしょ。このアングル」とチラッと見せてくるのですが、僕は「み、見ません。だって、うらやましいもん」と断固拒否。しかし、気になる鉄道写真。後で、こっそり見るとこれまたいい感じじゃないすか。

さびたレール、デハニ、枯れ草……。いかにも地方のローカル線って感じが出てます(撮影:田中 造景)(画像クリックで拡大)

レールのカーブもいいし、アングルも渋い。車輪のきしむ音が聞こえてきそうですよ(撮影:田中 造景)(画像クリックで拡大)

「BATADEN」のヘッドマークがいいじゃないですか。写真を見ていると、降りてくるお客さんに「出雲大社に行くんですかー」と声をかけそうになります(撮影:田中造景)(画像クリックで拡大)

手づくり感満載っすね。造景さん、こういうとこも、ちゃんと見ているんですね(撮影:田中 造景)(画像クリックで拡大)

 「造景さん、写真見ましたが、いい感じでしたよ。完敗です。僕は萌えましたね」と言うと、「いやいや、僕はプロじゃないし」と謙遜(けんそん)。でも、本当にいいなあと思えたんですよね。きっと、庭師の視点なんでしょう。

 「造景さん、僕はレールが好きなんです。雲州平田駅に行ったら、レールにフォーカスを当てた写真を撮ってほしいんです」とリクエスト。すると、またまた個人的に「萌え~」な写真じゃないすか!

オイルまみれのレールってのが、いかにも車両基地といった感じです(撮影:田中 造景)(画像クリックで拡大)

レールファンに「転轍機」は鉄板じゃないでしょうか。できることなら、ポイントの切り替えをしてみたいっ(撮影:田中 造景)(画像クリックで拡大)

 翌日、興奮冷めやらぬまま次の目的地、足立美術館へ。移動する車中、造景さんに「いやー、造景さんの写真には恐れ入りましたあ。今日もまた、デジカメを貸しましょうか」とフロントミラーをのぞくと、造景さんの目が違っておりました。

 「jinkeさん、今日は庭ですから」

 あ、そうでした。本業は庭ですもんね。確かに、今日は「日本一、すげえ庭」といわれている足立美術館に向かっているのでした。これは、失礼。

たしかに「庭園日本一」と刻まれております(画像クリックで拡大)

手前の庭もそうですが、奥の山も「庭」の一部なんですって。こりゃあ、すごいかも(画像クリックで拡大)

 僕は「庭」については、ほとんど知識がなく、この連載で教わっているわけです。以前、鎌倉で庭の見方を教えてもらいましたが、今回はまた違う「庭」なんだそうです。

 「そうですね。ここまで手を入れて、ここまで足立全康氏の思想が入っているというのは圧巻ですよ」と造景さんが力強く言う。なんだか、わからないけれど、すごい庭らしい。とにかく、どんな庭なのか早く知りたい。それじゃあ、豊田さん。よろしく!

車が到着するや否や、飛び出していった造景さん。気合を感じます(画像クリックで拡大)

強烈な美を放つ庭園があるとはとても思えないような、質素な入り口の足立美術館。このギャップが訪れる人たちの期待を高めるんでしょうね(画像クリックで拡大)