今週の1冊

『日経エンタテインメント!』のBOOK担当が、「トレンド」や「エンタメ」目線で今おさえておきたい1冊を毎週紹介していきます。

(画像クリックで拡大)

『食べるラー油でねこまんま』
 ねこまんま地位向上委員会編

泰文堂/1050円

 食やトレンドに敏感な人であれば、昨年から続く“食べる”ラー油ブームはもちろんチェック済みだろう。8月に発売された桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」(通称「桃ラー」)が口コミを通じて大ヒットとなり、売り切れ続出でスーパーなどから姿を消した。あまりの品薄状態に、桃屋はテレビCMを自粛したほど。ブーム到来以前から発売されている人気の“食べるラー油”としては、東京・日本橋にある人気店・アジア料理菜心の特製ラー油、京都・太秦の中華料理店・菜館Wongのラー油、京都のホテルオークラ内中華料理店・桃李の「食べるラー油」などもあった。

 この春には、ラー油最大手のエスビー食品から「ぶっかけ!おかずラー油チョイ辛」、ディスカウントストア大手ドン・キホーテの自社ブランドから「具だくさん ちょい辛ラー油」、京都の老舗旅館・三木半旅館の「京のいけず」、割烹や懐石料理屋を展開する竹若の「築地のらぁ油」などが続々と発売され、激戦状態はしばらく収まりそうもない。ネット上では、自家製“食べるラー油の作り方”も多く記され、書店では“食べるラー油”を楽しむための本も数々登場し、店頭をにぎわせている。

 なかでも注目は、昨年累計25万部の大ヒットとなった「ねこまんま」シリーズの第3弾『食べるラー油でねこまんま』だ。「ねこまんま」シリーズ最大の魅力は、なんと言っても「食材を適当な分量ごはんにのせるだけ」というレシピの潔さ。『食べるラー油でねこまんま』には、具材と“食べるラー油”を乗せるだけのシンプルうまうまメニューが137も収められている。

 「ケチャップラー油まんま」や「納豆ラー油まんま」などの「常備品」系から、汁物をぶっかける「みそ汁・スープ」系やボリュームが出る「缶づめ・瓶づめ」系、ポテチを乗せるような「ジャンク」系やとろろなどを使った「ヘルシー」系、パスタやパンにおける“食べるラー油”の活用法など10のジャンルでさまざまな食べ方が紹介されている。料理研究家でフードコーディネーターである市瀬悦子が監修しているだけあって、テイストも和食風、庶民のお茶の間風、中華風、韓国風、エスニック、イタリアン…と幅広く、全レシピにカラーの完成写真が掲載されていて見た目からも食欲をそそられる。家でカンタンに作れる“食べるラー油”のレシピが付いているのもうれしい。

 暑さに食欲が減退しがちな季節を迎えようとしている今、シンプルで刺激的な一膳を提案してくれる『食べるラー油でねこまんま』。片手でぱらぱらめくれる大きさなのも、使い勝手がよく、実用的。辛いものが嫌いでなければ、ぜひ試してみたい一品、いや、一冊だ。

◆クロスエンタテインメント――この作品に共感した人は楽しめる!

『ちょい足しクッキング』(テレビ朝日『お願いランキング』編)
『お願いランキング』(テレビ朝日系月~金深夜0:20~(金のみ0:40~)放送中)内「ちょい足しクッキング」コーナー

(画像クリックで拡大)

 カップラーメンやスナック菓子、納豆など身近にある食材に、ネットや口コミで話題の調味料などを「ちょい足し」することで、“本当においしい「食のコラボ」”を発見する「ちょい足しクッキング」。ランキング系の情報番組『お願いランキング』内で番組ADが体を張ってすべてを試食した結果が、ついに書籍化された。146種紹介されている超手軽なレシピから一例を挙げると、わかめスープに「ちょい足し」されるのはしば漬けやマシュマロ、パイナップルやごま油、プリン…。さて、その中で1位となったのは? 実際の商品開発担当者に1位を試食してもらうくだりも興味深い。シンプルに何かを足すことで、さらに味わいが深まる食の不思議。ものぐさだけど、さまざまな味を楽しむのが好きな人に。

(文/土田 みき)