皆さんは、マジックテープのことはよくご存じかと思います。正式には「面ファスナー」と呼ぶらしいのですが、これは、1948年スイス人のデ・メストラル氏が、狩猟のあとで、自分の服や猟犬の毛に野生ごぼうの実がついているのにヒントを得て開発し、のちに日本のクラレが今のかたちで工業化に成功したそうです。

 皆さんも私も、毛糸のセーターにアザミのようなトゲのある実や花がついてしまって取るのに苦労したというのは経験されたことがあると思います。また、マジックテープを見ても「あぁ、あれね」といって特に驚くことはないですね。セーターに実がついていて取りにくいのは普通のことですが、それを見て接着技術に応用できないか、と考えるのはとても「普通」ではありません。「ポストイット」「ウォークマン(ちょっと古いですが)」「航空会社のマイレージクラブ」などの一時代を画した新機軸は、普通のこと(空席で飛ばすのならタダで乗せても費用は同じ)を普通でない角度から見て(その空席に上顧客を優先的に招待してみては)生まれたものなのです。

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