起動・処理性能ではS8が健闘

 次のテストは起動時間。CPUの違いはもとより、SSDのデータ転送速度も大きく関係する部分である。プレミアムエディションのS8とS9では搭載するSSD容量が増え、S8は160GB、S9は256GBとなっている。気になるデータ転送速度を「CrystalDiskMark 2.2」で計測してみると、図のように、読み込み(Read[MB/s]ではS9のほうがS8より遅いという結果になった。

 しかし、実際に起動時間を計測してみると、S8が42.4秒、S9が40.1秒と逆転。ベンチソフトで見られた読み込み速度の差は表れなかった。S9に敗れたとはいえ、S8の結果も優秀。どちらもあっという間に起動する快適モバイルノートと言えよう。

「CrystalDiskMark 2.2」で計測したS9のデータ転送速度(画像クリックで拡大)

S8の結果がこちら。読み込み速度ではS9を上回る(画像クリックで拡大)

起動時間の測定結果。電源を入れてから、デスクトップが表示され、無線LANに接続されるまでの時間を手動で計測した(画像クリックで拡大)

 最後は、定番ベンチソフトを使った総合的なテストだ。気になるのは、グラフィックス機能まで組み込んだCore i5の実力。Core 2 Duo世代のS8と、Windows エクスペリエンス インデックス(WTI)で比較すると、ゲーム用グラフィックスが「3.4」から「4.9」へと大幅アップしている。Windows Aeroのデスクトップパフォーマンスを示すグラフィックスのスコアでは、S8が上回ったものの、全体的にS9のほうが上になっている。果たしてS9の基本性能は、どれくらいアップしているのか、検証してみよう。

 まずは「PCMark05」でのテスト。CPUとメモリー、グラフィックス、HDDの4項目を測定する。結果は、CPUとメモリーではS9がS8を圧倒。しかし、グラフィックスでは、WTIのグラフィックス同様、S8のスコアがS9を上回った。HDDも「CrystalDiskMark 2.2」と同じで、S8のスコアのほうが高くなっている。

S8のWTI。オンチップだったため、3Dグラフィックスの評価は3.4と、他と比べてイマイチだ(画像クリックで拡大)

S9のWTI。3Dグラフィックス性能を示す「ゲーム用グラフィックス」のスコアが大きく向上している(画像クリックで拡大)

PCMark05でのS8の結果。データ転送速度の速いSSDを採用しているためか、HDDのスコアはS9より高かった(画像クリックで拡大)

S9でのスコア。CPUとメモリーはS8を上回っている(画像クリックで拡大)

 最後に「PerformanceTest 7.0」を使って総合スコアを計測してみた。それぞれ5回計測した中での最高スコアは、S8が「688.8」。S9では「732.2」。その差は43.4。約6%の改善ではあるが、着実に性能が上がっていることを実証できた。

 今回、S8とS9のプレミアムエディションを比較してみて、改めてSシリーズは快適なモバイルノートだと実感した。カタログ値のバッテリー駆動時間が気になっている方、実作業ベースでは意外と持つので安心してほしい。S8ユーザーとして認めるのは残念だが、より速く快適になり、なおかつバッテリーも持つ……S9は最強のモバイルノートである。

「PerformanceTest 7.0」で計測したS8の最高スコア(画像クリックで拡大)

S9の最高スコア。S8を40ポイント以上引き離して勝利した(画像クリックで拡大)

著 者

原 如宏(はら ゆきひろ)

 パソコンから食べ物まで、ジャンルにこだわらず手がけるライター界のなんでも屋。メインの移動手段は“徒歩”というエコ生活を実践中。