風邪の季節だ。テレビでは風邪薬のほかに、マスクのCMをよく見かける。

 風邪はウイルスによる上気道の急性の炎症で、成人では年に3~4回かかるといわれている。鼻水、鼻閉、のどの痛み、咳、発熱などの症状が一般的で、普通は一週間程度で治るが、細菌感染を合併すると肺炎、中耳炎、副鼻腔炎などを起こすことがある。

 治療は発熱、頭痛、筋肉痛には解熱鎮痛薬、咳には鎮咳薬、のどの痛みには抗炎症薬など、症状に応じた薬を用いる。市販薬の種類も多く、症状を和らげることを目的にしている。

 漢方薬で風邪といえば、誰もが「葛根湯(かっこんとう)」を思い浮かべるかもしれないが、病状の進行状況、体力の充実度によって使う薬も違ってくる。風邪の引き始めで体力がある人には葛根湯、「麻黄湯(まおうとう)」などを用いる。

 葛根湯は発熱、悪寒、頭痛、項頸部のコリなどの症状が見られるときを対象にする。麻黄湯は高熱や悪寒があり、顔が真っ赤で自然に汗がでず身体の筋肉、関節が痛むときに適している。

 体力が落ち胃腸が虚弱な人の風邪のひき始めには、「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」「桂枝湯(けいしとう)」「香蘇散(こうそさん)」「苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)」「柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)」などを用いる。