テープカッターで重要なのは「重さ」

 ここまでは刃について説明してきたが、ほかにもテープカッターにはいくつか重要なポイントがある。

 まず重要なのは、なんと言っても「重さ」。つまり、動かないこと。私は以前からずっと言い続けているのだが、市販品の多くは重さが微妙に中途半端なのだ。特にセロテープは引き出す際の抵抗が大きいため、机上に置いたまま片手でテープを引くと、テープカッターがついてきてしまったりして、イライラすることもしばしば。

 この理由から、私が本当に満足のいくテープカッターは「南部」だけであった。これもニチバンの製品で、本体が南部鉄の鋳造品のため、すこぶる丈夫なうえに、とにかく重い。その重さは2kg。一般的なテープカッターが1kg強であることを考えると、その不動の安心感は別格だ。

これがニチバンの南部鉄製テープカッター「南部」。価格は5040円(画像クリックで拡大)

 ではなぜ、従来のテープカッターがそこまで重くないのか。

 それは、重さを作るための素材にある。卓上型テープカッターの多くは、プラスチック製の器にセメントを流し込んで重しとしている。底をはずしてみると、こんな感じ。

おなじみの従来型プラスチック製テープカッター(左)。底をはずすと、中にはセメントがびっしり(右)。ちなみに、このタイプのテープカッターはひっくり返してセメントを流し込む都合上、たいていひっくり返しても水平に置ける(画像クリックで拡大)

 セメントの比重は3.1前後。水の約3倍だ。一方、「南部」で使われている鉄の比重は7.85。単純に体積当たりの重さは2倍以上。同じくらいの体積でも手に取ったときの重さが全く違うのはそのためだ。

 では、直線美はどうか。