テープを“まっすぐ”切る仕掛けとは

 「切り口がまっすぐになれば」という要望は以前からあり、それに応える解決案がいくつも製品化されている。しかし私の知る限りそのほとんどは、カッターナイフのような鋭利な直線刃を採用したもの。切り口がキレイな代わりに、安全性を確保するのが難しく、手が触れないように何らかのガードのようなものが必要だ。従来のギザギザの刃は完璧に安全とは言えないが、日常使用でむき出しでもある程度問題がない、簡便で良い仕様だったといえる。では今回の直線美はどうか。

 実際に写真を見ていただこう。スチール製の平らな板に凸凹をプレスしたもの。これが刃だ。従来のギザギザ刃は上を向いていて、テープに対して直角に刃を立てるが、直線美の刃は水平で、テープと平行に前を向いて寝ている。テープを刃に貼り付けた状態で左右どちらかに捻ると、端からパリパリパリッと、切れていく。テープを切るというより、映画のチケットのミシン目を切り取るような独特の心地よさがある。

直線美の刃は水平で、テープと平行に前を向いて寝ている。テープを刃に貼り付けた状態で左右どちらかに捻るとバリバリバリっと切れていく(画像クリックで拡大)

直線美の刃はスチール製の平らな板に凸凹をプレスしたもの(画像クリックで拡大)

従来のギザギザ刃は上を向いている(画像クリックで拡大)

 直線美の場合、テープが刃の上面に貼り付くときに凸部分には密着し、凹部分は浮いている。この状態で捻ると、テープは刃に貼り付いてしっかり固定された状態でエッジ部分に力が集中する。そのため、エッジに密着している部分をきっかけにテープが裂け、裂け目が進行して次の密着部分でまたエッジの部分から裂け目が始まるという繰り返しになるようだ。

 テープはいったん裂け目が入るとそこから亀裂が拡がるから、テープを切るという目的だけであれば平らな板でよいのかもしれない。しかし、それだと斜めに亀裂が進行した場合、亀裂が刃のラインから離れてしまい、テープに対して直角に切れない可能性がある。直線美のテープの切り口をよく見ると、本当にまっすぐというより、非常に小さな段差が等間隔に生じている。刃の凹凸は、亀裂が進行しすぎないうちにテープを何度もエッジに引き戻す効果があるように思われる。

 結果、鋭利な刃を持たない従来のギザギザ刃に比べて、直線切りができるだけでなく、安全性も向上しているという、一石二鳥な設計となっているのだ。