久々に心が躍るパソコンと出会った。パナソニックの「Let's note S8」だ。2009年冬モデルから登場した新シリーズで、人気の高かった「W」シリーズの後継にあたる。Let's note愛用者にとっては、待ちに待った新モデルだろう。何しろ、持ち手の付いたF8シリーズを除くと、Let's noteシリーズの液晶は4対3のスクエア型ばかり。解像度も1024×768ドットと極端に狭かった(Yシリーズを除く)。スクエア液晶が全盛だった時代はよかったが、今はもうワイド液晶が全盛。ライバル機の液晶もどんどんワイド化していったため、いかんせん古さを感じるモデルになってしまっていた。

 S8では、そんな設計の“古さ”を見事に払拭(ふっしょく)している。液晶は、モバイルノートの主流である12.1型ワイドに変更。解像度も1280×800ドットとなり、ライバル機に追いついた。もちろん新シリーズとあって、ライバル機を上回る性能を持っている。特筆すべきは「CPU」と「バッテリー駆動時間」だろう。モバイルノートというと、消費電力の少ない超低電圧版のCPUを使うのが一般的。しかし、S8(店頭モデル)では通常版のCore 2 Duo P8700を搭載してきた。

 この低電圧版から通常版Core 2 Duoへの変更は、実に野心的だ。効果も絶大で、モバイルノートを操作しているとは思えないほど快適に動作する。このCPUは、A4ノートや液晶一体型パソコンにも搭載されているので当然と言えば当然なのだが、実際使ってみると「モバイルノート=遅いパソコン」というイメージが変わるのだ。

 国内メーカー製で通常版のCore 2 Duoを搭載するモバイルノートというと、Let's note以外ではソニーのVAIO Zのみ。VAIO Zは液晶サイズがひと回り大きい13.1型ワイドなので、12.1型ワイド&通常版のCore 2 Duoという組み合わせは、Let's noteだけだ。ライバル機が通常版のCore 2 Duoへ切り替えるまでは、抜きん出たCPU性能が魅力となろう。

 もう1つの注目点が「バッテリー駆動時間」だ。CPU性能が上がると消費電力が増え、その分、バッテリー駆動時間が短くなる。しかし、この点にも抜かりはない。S8では、「8セル」という大容量バッテリーを標準搭載し、約16時間駆動(JEITAバッテリー動作時間測定法Ver.1.0による)を達成している。歴代Let's noteの最長駆動はT5シリーズの15時間だったので、S8は歴代1位のスタミナノートとも言えるのだ。

 デスクトップの作業領域が広がり、処理能力が高く、バッテリー駆動時間も長い。S8シリーズは、Let's noteの弱点をひとつずつ潰してきた秀作である。ほぼすべての仕事をモバイルノートだけでこなしている筆者にとって、“心が躍る”と書いた理由が分かっていただけたのではないだろうか。

 さて、前段が長くなってしまったが、今回はそんな筆者がLet's note S8の性能テストをすることにした。365日パソコンを持ち歩くヘビーモバイラーとして、S8の実力を数回に分けて探っていこう。

Wシリーズに変わって、Let's noteの主力モデルとなったS8シリーズ。デザインはLet's noteシリーズの流れを受け継いでいる(画像クリックで拡大)

W2シリーズの発売以来、6年以上踏襲されてきたスクエア液晶。S8の登場でついにワイド液晶に変更された(画像クリックで拡大)