最新版ミシュランがリリースされた。マスコミの報道は、三つ星が世界最多の11店、累計261個の星が輝いたことよりも、「居酒屋」「焼き鳥」「串揚げ」が新たなカテゴリーとして登場したことに話題が集中。新三つ星シェフ3人をさしおいて、「庶民派ミシュラン」が見出しに踊った。海外メディアも同様で、11月17日の格付け発表の夜、ミシュランガイド総責任者のジャン=リュック・ナレ氏は、一つ星を獲得した有楽町の焼き鳥店「バードランド」へ足を運び、フランスのTVチームの取材を受けていた。格付け発表当日と翌日に東京のテレビでは、18番組がミシュランを取り上げたが、そのほとんどが、焼き鳥店(「バードランド」銀座4丁目)が初めてセレクション入りしたことを紹介。その他の各メディアも「バードランド」に殺到している。

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 ちなみにその「バードランド」は、店内に豪華で綺麗なトイレがなくてもミシュランの星が輝くことを証明した三つ星寿司店「すきやばし次郎」と同じビルの同じフロアにあるお隣さんだ。トイレも次郎と共同。客席からは、斜向かいにある「次郎」で国宝級の寿司を握る世界最高齢の三つ星シェフ、小野二郎さんの姿が見える。客単価はおよそ1万円。ガード下にある庶民派の焼き鳥店とはわけが違う。1987年に阿佐ヶ谷で開業して、銀座進出は2001年。以来、食通たちを唸らせ、フレンチの大御所ジョエル・ロブションも絶賛した高級プレミアム焼き鳥店として知られている。ミシュランガイドの紹介文を見ると、「今ではソリレスを扱う店も多いが、フランス料理店で働く客の提案によって最初に焼鳥として供したのはこの店だ」「フランス産ワインを中心とするワインの品揃えも良い」とある。一部ではミシュランガイドに対して「庶民派偽装」という声も上がっているが、3年目の演出として「居酒屋」「焼き鳥」「串揚げ」を前面に打ち出してきたのは悪くない。「ミシュランガイド」は単なる出版物ではなく、ミシュランタイヤ社の広報マーケティングツールでもあるのだから、100年の歴史があり毎年の風物詩として放っておいても話題になるフランス本国や欧州のように定着するまでは、毎年何らかの話題作りや仕掛けが必要だろう。総責任者のナレ氏はもとより、関係者は今からすでに来年の戦略を練って頭を悩ませているに違いない。

 さてそんなミシュランだが、今回は、今年創刊9年目を迎えて大リニューアルした『東京最高のレストラン』(ぴあ刊)の採点者の皆さんと編集長に、最新版のミシュランガイドをチェックしてもらうことにした。彼らは、年間最低350食と言われているミシュラン調査員と同程度か、あるいはそれ以上の試食を日々重ねている日本を代表するレストラン評のエキスパートたちだ。ミシュランの覆面調査とは異なり、「私」個人の評価であることを前面に打ち出している「東京最高のレストラン」採点者たちの目には、はたして、3年目を迎えたミシュランガイドはどのように映るのだろうか? 早い話、今年のミシュランガイドは使えるガイドなのかどうなのか?! それではさっそく、ミシュランチェックのスタートです!

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 ・・・ということで、今回ご登場いただくのは、こちらの皆さんです!

小川フミオ(モーター&フードジャーナリスト)

来栖けい(美食の王様、若手シェフ育成レストラン「エキュレ」主宰)

森脇慶子(フードライター)

横川潤(食評論家)

大木淳夫(ぴあ「東京最高のレストラン」編集長)

 それではさっそく行ってみましょう!『ミシュランガイド東京2010』緊急チェック!