21世紀後半にかけて、化石燃料である石油資源の可採埋蔵量は減っていき、非常に高価なものになる可能性が高い。それに伴って、代替燃料としてバイオディーゼルやアルコール燃料、水素燃料が脚光を浴びることになる。

 しかし、バイオディーゼルやアルコール燃料は現状のところ、サトウキビやトウモロコシ、大豆など、本来は食料や飼料として栽培されている植物を原料にしたものがほとんどだ。バイオ燃料としての需要が高まったために、価格が急騰するなどの問題も起きている。麦わらや廃材などのセルロースを原料にする製造技術も研究されているが、まだ商業的生産には至らない段階だ。

 水素にしても、液化または高圧で水素を備蓄するサービスステーションの整備を考えると、インフラ整備には膨大な社会資本が必要だ。こうした諸条件から考えると、21世紀後半には、電気エネルギーを主体とした社会に行き着かざるを得ないだろう。

 それを示唆するかのように、ここにきて電気自動車(EV)の発表発売が相次いだ。軽自動車カテゴリーの富士重工業「スバル プラグイン ステラ」三菱自動車「i-MiEV(アイミーブ)」だ。プラグイン ステラは2009年6月4日発表で、7月下旬から納入を開始。i-MiEVは6月5日発表で、7月下旬にまず法人や自治体ユーザー向けに発売。i-MiEVは10年4月から個人向けにも販売予定で、09年7月31日から購入希望受付を開始している。さらに8月2日には、10年度後半に発売予定の日産「リーフ」が発表された。

 しかし、続々と発表・発売される電気自動車の将来が明るいかといえば、筆者はそうではないと考えている。前編ではその理由と、当面の解決策として有効なハイブリッド車(HEV)の機能について述べる。

09年7月下旬発売の三菱i-MiEV。09年度予定分の約1400台はすでに受注済みで、10年度分は8月だけで900台を受注した(画像クリックで拡大)

スバル プラグイン ステラ(左)は09年度は170台程度を供給する予定。10年度後半発売予定の日産リーフ(右)は全長4445×全幅1770×全高1550mmで、「VWゴルフ」やトヨタ「オーリス」、ホンダ「シビック」などと同クラスのコンパクトカー(画像クリックで拡大)