iPodユーザーは特に密閉型ヘッドホンで聴くのがお薦め

 携帯音楽プレーヤーではヘッドホンが重要と言いましたが、実はプレーヤー本体の音の特性にも注意しなければいけません。

 僕はiPod Classicシリーズを全世代持っていますが、世代ごとに音がすごく違います。今使っているのは結構古い世代なのですが、これが一番音のバランスがいいですね。

「iPodは意識的に大きなヘッドホンで聴いた方が、バランスが良くなり、断然音楽を楽しめます」(麻倉氏)(画像クリックで拡大)

 ソニーの「ウォークマン Xシリーズ」は低音がよく出るので、カナル型の普通のヘッドホンで聴いてもそれなりに低音がしっかりしています。でもiPodは低音があまり強くなく、どちらかというと中高域を強調しているような感じです。

 言ってみれば、ソニーは(高域に比べて低域が強い)ピラミッド型の音響構成だとすれば、iPodは(低域に比べて高域が強い)逆ピラミッド型ですね。だからiPodを小さいヘッドホンで聴くと、どうしても高域上がりのキンキンした音になってしまうのです。でもedition8で聴くと、非常に低域がよく出るためバランスが良くなるんですよ。

 大胆に言ってしまうと、ウォークマンは小さいヘッドホンでもF特(周波数特性)バランスがいいのですが、iPodは意識的に大きなヘッドホンで聴いた方が、バランスが良くなり、断然音楽を楽しめます。特に密閉型ヘッドホンがお薦めですね。

iPodをいい音で聴きたければ、iTunesの設定も重要!

 それからもう一つ、iPodをいい音で聴きたいのであれば、iTunesの圧縮設定も重要です。

 iTunesの初期設定でCDをリッピングすると、128kbpsのAAC形式で不可逆圧縮して保存されます。これは音楽CDと比較すると約12倍圧縮されている計算です。12倍も圧縮するということは、言い方としては音楽も12倍圧縮されることに等しい。だから、基本的には非圧縮のWAV形式がベストです。しかも、CD(サンプリング周波数44.1kHz/サンプリングビット16ビット)よりも音質がいい48kHz/16ビット(オプション)でリッピングするのをお薦めします。

 iPod Classicなら容量が数十ギガバイト以上あるので、保存は非圧縮で行くべきですね。iPod nanoなどは容量が少ないので圧縮が必要かもしれませんが、それでもロスレス圧縮(Apple Lossless形式)を選ぶといいのではないでしょうか。

 もう一つは使いこなしですが、僕は「二度読み」というのをやっています。オーディオの本にも書いているのですが、音楽CDはプレーヤーで一度読み込んでからイジェクトしてもう一度読み込むと、音が緻密になるんです。iTunesで取り込むときも同じなので、ドライブにて一度読み込んだらイジェクトして、もう一度入れてということをやっています。

 重要なのは取り込むときの圧縮設定と、二度読みのような使いこなし、そしてヘッドホンをよく吟味して選ぶことです。この3つがあれば、たとえiPodやウォークマンなど(オーディオシステムに比べて)音質が良くないと言われるプレーヤーでも、見違えるように音が良くなります。ダイナミックレンジが非常に広大なクラシック音楽でも、十分に聴きごたえがあるほどにまでなりますよ。