3万円のiPodなら、4万円以上のヘッドホンを買うこと!

 iPodやウォークマンなどで音楽を聴くと、高級オーディオシステムに比べて音が悪いのはまあ一般的な常識ですよね。でも実は、その原因の多くをヘッドホンが占めていると思うのです。

 通常のステレオ装置を考えれば分かると思いますが、スピーカーにいいものを使わなければ決していい音は出ません。

 僕はオーディオの記事でよく「組み合わせ」の重要性について書いています。それは何かというと、オーディオを楽しむためにはCDプレーヤーとアンプ、スピーカーの3点セットが必ず必要ですよということです。

 ではこの3点セットにどのくらいの予算を割り当てればいいのか。僕はスピーカーに60%から65%を割り当てなさいと言っています。なぜかというと、スピーカーというのは電気信号を音に転換して人間の耳に聞かせる最終的な、そして大切なインターフェースだからです。音楽を聴くときには、スピーカーの音質、音色、スピーカー自身が持っているキャラクターがもっとも大きな影響を与えるのです。

 これは、実はそのまま携帯音楽プレーヤーの世界にも当てはまるんじゃないかと思っています。

「3万円のプレーヤーなら、4万円から4万5000円くらいのヘッドホンがいいということになります」(麻倉氏)(画像クリックで拡大)

 携帯音楽プレーヤーはアンプとプレーヤーを一緒にしたようなものですよね。先ほどの話でいけば、35~40%がアンプとプレーヤー、60~65%がヘッドホン(スピーカー)だから、プレーヤー本体価格の1.5倍のヘッドホンを使えばちょうどバランスがいいということになるのです。本体価格の中にはヘッドホンの価格も含まれていますが、これはほとんどタダのようなものです。そうすると、プレーヤーが3万円だとすると、だいたい4万円から4万5000円くらいのヘッドホンがいいということになりますよね。

 3万円の携帯音楽プレーヤーに4万円のヘッドホンが標準的な構成だとすれば、edition8の実売15万円前後というのは飛び抜けているわけですよ。でもその価格にふさわしい音がします。ハイエンドと中級クラスのスピーカーでは全く音が違うのと同じように、ヘッドホンでここまでの再現性、表現力を持っているのはなかなかありません。

 スピーカーでこれだけの音を聴こうと思ったら、50万円くらいのお金をかけないとできないでしょう。スピーカーで聴く音には魅力がありますが、スピーカーから耳までの間にある空気を震わせて聴いているので、スピーカー自身に物理的な、そして音楽的なパワーがなければ耳までちゃんと音が届かないのです。

 その点、ヘッドホンなら耳のすぐ横にドライバーがあるので、空気の影響がほとんどないというメリットがあります。これと同じくらいの音質で聴きたければ高いシステムが必要になるので、部屋の中でこれをメインに聴くというのも一つの手かもしれませんね。