ベースグレードも出来は上々、内装はしっかりレクサス基準

上位グレード「バージョンL」「バージョンI」は本革シートや本木目パネルを標準装備(画像クリックで拡大)

 が、試乗会で全グレード制覇した感触でいいますと、HSは395万円のベースグレードがやけに出来がいいんですわ。というのも標準のファブリックシートの肌触りが実に優しく、乗り心地にも寄与するほどで。普通は大抵ひどいことになってる表皮柄もちょっと織物っぽい感じで、日本の新しい高級車像みたいなところが巧く表現できています。このあたり、10年ほど前にデビューしたトヨタの「プログレ」なんかに共通するセンスを感じますね。

 世界一と断言できる高い塗装品質はHSの場合、残念ながら感じることは出来ませんでしたが、内装はしっかりレクサス基準を満たしてます。それにテレマティクスを使ったトータルケアや、ディーラーでの高級ホテル並み(苦笑)なホスピタリティとやらも享受出来ますし……と考えると、プリウスとの価格差は十分吸収できるのではと、クルマ好きは思ってしまうわけです。もはや国民車状態のプリウスに対するオルタナティブと考えても、このクルマ、検討する価値はあると思います。まぁ、外観はどうにかならんのかいと思いますけど、個人的には。

スポーティーグレードの「バージョンS」と無印のベースグレードは、シート表皮がファイブリックでインテリアトリムも黒ベースになる。写真はバージョンSでオプションの本革シートを装着(画像クリックで拡大)

著者

渡辺敏史(わたなべ としふみ)

 自動車ライター。1967年福岡県生まれ。現在の愛車はマツダ「RX-7」とポルシェ「ボクスター」。週刊文春にエッセイ「カーなべ・クルマ道楽のナビゲーター」を連載中のほか、専門誌・一般誌にクルマ記事を執筆。目下の悩みはこの6月にまとめてやってくる車検代の捻出とか。大径タイヤはつらいよ……。