パナソニックのコンパクトデジカメ「LUMIX DMC-TZ7」は、ハイビジョン撮影にもスチル撮影にも強い画期的なムービーデジカメに仕上がっている(レビュー記事はこちら【前編】【後編】)。TZ7は「何気ない日常を撮るムービー」という新しいジャンルを切り開く野心的なモデルであり、レビュー後も興味は尽きない。

 TZ7はどのように生まれたのか、1号機にして高い完成度を実現できた秘密とは何か。LUMIXのムービー機能はどう進化するのか。そして、どんな新しいムービーの世界を切り開くのだろうか。TZ7の開発者にインタビューしてみよう。

パナソニックが2009年3月6日に発売した「LUMIX DMC-TZ7」。ビデオカメラ向けのAVCHD規格互換の「AVCHD Lite」規格を採用しており、1280×720ドット/30P相当のハイビジョン動画を撮影できる(画像クリックで拡大)

増田: 最初に、DMC-TZ7開発のモチーフをお聞かせください。

パナソニック AVCネットワークス社 ネット事業グループ DSCビジネスユニット 企画グループ グループマネージャー 北尾一朗氏(画像クリックで拡大)

北尾氏: デジカメのムービーには改良の余地が多くあり、以前からもっと進化させたいと検討していました。

 まず、テレビのハイビジョン化が相当進んでいますので、デジカメにもハイビジョンが必須と考えました。しかし単にハイビジョンに対応させるだけでなく、デジカメでムービーのフィールドを広げたい。そうした意味では、ビデオカメラはあまり参考にならないと考えました。私自身、以前にビデオカメラの営業をしていて、ビデオカメラの用途を広げるさまざまな提案をしていました。しかし、やはり「お子様撮り」と「イベント撮り」というニーズが大きく、ほかのフィールドに広げるのは難しかったのです。そこで「ビデオカメラ」という視点ではなく、デジカメからのアプローチで新しいムービー機能を提案しようと考えました。