果たしてノートである必要性があるのか

 興味深いのは、外光の映り込みを限界まで排除するディスプレーフードまで別売で用意されていることだ。今回借りることができたのでテストしてみたが、確かに写真の見え方が全然違ってくる。暗室っぽい雰囲気もなかなかいい。

 このディスプレーフードは折りたたみになっており、持ち運びにも対応できる。

 ただここまでくると、果たしてノートである必要が本当にあるのか疑問だ。仕事柄、プロカメラマンが撮影現場にノートを持ち込んでいる姿をよく見かけるが、その場ではほとんど編集作業などしていない。撮影後の確認が作業の中心だ。落ち着いて編集するのは、事務所なり自宅に帰ってからなのだ。ハイアマチュアも同様だろう。このパソコンを持ち運んで利用する機会はあまりないのではないだろうか。

 持ち歩かず、液晶にコストを掛けるなら、CPUが陳腐化しても使えるようにセパレート型のデスクトップを手に入れるのが利口だと、僕は思う。本体を買い換えても、美しい液晶は使い回したい。

 type Aの店頭モデルが搭載する「Core 2 Duo T9400」は確かに高性能だ。VAIOオーナーメードでは、T9600も選べる。だが、2000万画素クラスのRAWを編集するには、これとて力不足ではないだろうか。安価で高速なCore 2 Quadのデスクトップに高級な液晶モニターを購入した方が、満足度が高いと思うのは、カメラよりパソコンに詳しい僕だけか?

 1年後にはOSも64Bit化する公算が強い。そうなったら、最低でもCPUコアは4つ、メモリーは8GB以上欲しくなるだろう。そんな環境で使わなければ、美しい液晶がもったいないのだ。

 もちろん、資金に余裕がある方にはおすすめできる。置き場所を取らずに最高の環境で現像できるのだ。2年ほど使って最新のモデルに買い換えていくなら、満足度も高いだろう。ある意味で、tyep A フォトエディションはそう高くない。このクラスは、2年程前なら40万円程度だっだ。15.4型液晶のAVパソコンを23万円くらいで買うなら、8万円程度追加すれば手が届くのだ。液晶の買い換えなどと言う、セコイことを考えずにこれを買うのが正解という人も少なくはないだろう。事実、店頭でもよく売れているのだ。ソニーの見事な戦略に、拍手である。

著者

戸田 覚(とだ さとる)

1963年生まれのビジネス書作家。著書は120冊以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。近著に、『ここで差がつく! 仕事がデキる人の最速パソコン仕事術』(インプレス)がある。
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