ヘッドホンは、価格と音質は正比例の関係がほぼ成り立つ
製品切り替え時期の「N・U・D・E EX」は狙い目のモデル

ビックカメラ・三好氏が教える
1万円以下ヘッドホン選び 基本の三箇条

  1. まずは価格。DAP付属品以上の音質を求めるなら、3000円超からが選択肢
  2. コード長のチェックは重要。DAP向けなら1.2mが基本と心得るべし
  3. ファッション性を考慮して、カラーのチェックも忘れるべからず

 三好氏は、製品選びの基本として価格を一番の選定基準に挙げた。ヘッドホンの場合、特別な付加価値がない限りは、メーカー問わず価格によってグレードの線引きができるためだ。「2500円以下のクラスはエントリー向けなので、『とりあえず聴ければいい』という人向けです。2000円台後半から5000円までは中級クラスで、よい音質が期待できる安価なクラスと捉えて良いでしょう。次は1万円前後の高級モデルで、さらに音にこだわる人向けといえます」

 具体的には、価格が上がるほど、再生できる音域が広がり、ノイズが混ざりにくくなるうえ、音が立体的になるといった差が出てくる。特に再生音域とノイズの少なさは、仕様書からある程度読み取れる。「大人の耳は高音で2万Hz程度までしか聞き取れません。なので、比較すべきは低音です。エントリークラスは20Hz前後までしか表現できませんが、高音質モデルは3~5Hzまで出せます。実際に聴くと、ドラムやベースの迫力が全然違いますね。また、インピーダンスが大きい製品ほど、ノイズが混ざりにくいです。DAPに使うなら、16~32Ωあれば十分でしょう。それ以上はオーバースペックとなります」

 これらの情報を元にすると、1位から3位に入った価格帯の異なる製品の差が見えてくる。

 1位となった「ATH-CK300M」は、典型的なエントリーモデルの製品だ。再生帯域は20~2万Hzと狭めだが、カナル型の特性により、音量が小さくても周囲のノイズが入りにくく、ある程度のクオリティが期待できる。「ライトユースに最適な製品ですね。特にカラーバリエーションが豊富なので、女性に高い人気があるのが特徴です」

オーディオテクニカ「ATH-CK300M」(画像クリックで拡大)

 2位に入った「ATH-CK52」はATH-CK300Mより実売ベースで500円高い製品。再生帯域が14~2万4000Hzと、一段広がっている。さらに、装着性を高めるために独自のイヤーピースを採用するといった特徴も見られる。「わずかに予算を上げるだけで、様々なグレードアップが期待できます。音質にそれほどこだわらない人なら、メジャーメーカー製DAPに付属するイヤホンから乗り換えても、音質差を感じないレベルですね」

オーディオテクニカ「ATH-CK52」(画像クリックで拡大)

 3位の「ATH-CKM50」は約5000円の製品で、中級クラスに位置づけされる。再生帯域が5~2万4000Hzとさらに広がっており、外見上は、音を再生するドライバーユニットの直径が大きくなっているのが目立つ。「低音の表現力はもちろん、中高音域もしっかりと再現します。全体的にツヤがある音が出せるなど、仕様書の数値には現れないメリットもありますね。DAP付属のイヤホンから乗り換えて、明確に違いが出るのはこのクラスからです」

オーディオテクニカ「ATH-CKM50」(画像クリックで拡大)

上からATH-CK300MとATH-CK52、ATH-CKM50のイヤーヘッド部(画像クリックで拡大)

 4位に入ったソニー「N・U・D・E EX MDR-EX85SL」は、スペック的にはATH-CKM50と対抗する製品ながら、新製品との切り替え時期に差し掛かり、4000円弱の低価格で売られている。再生帯域はATH-CKM50と同じだが、さらに1mm大きいドライバーユニットを採用しているのが特徴。「音の特性はATH-CKM50とほぼ同等ですが、ソニーというメーカーの個性が反映されて、重低音が際だっているという声もよく聞きます。あと1カ月で新モデルと切り替わるので、在庫が潤沢な今のうちに購入するのをオススメします」

ソニー「N・U・D・E EX MDR-EX85SL」(画像クリックで拡大)

ATH-CKM50と同じく、ドライバーユニットは大きく張り出しているのが外見上の特徴だ(画像クリックで拡大)