アナウンサーとして日々お茶の間に元気を届け続けている住吉美紀さん。その明るさの源はどこにあるのか。仕事でのプレッシャーへの向き合い方とストレス解消の秘訣を聞いた。

(取材・文/滝沢弘康[青丹社]、写真/川本聖哉)

仕事でのプレッシャーはむしろプラスに働く

――アナウンサーとして日々お茶の間に登場されていますが、やはりテレビ番組は緊張するものですか?

住吉: そう聞かれることが多いのですが……実は私あんまり緊張しない性格なんですよ(笑)。長文を覚えなければならず一言一句間違えてはいけない場合とか、ナレーションで密室のブースに1人入って原稿を読むときなどはプレッシャーがありますけど、普段の仕事では緊張することは少ないですね。

住吉美紀(すみよし みき)。神奈川県川崎市出身。1996年NHK入局。現在『プロフェッショナル 仕事の流儀』、『アートエンターテインメント 迷宮美術館』、『地球アゴラ』などの番組を担当。2007年にはNHK紅白歌合戦で総合司会を務めた。(画像クリックで拡大)

――緊張しないのはアナウンサーになりたてのころから?

住吉: 小さいころからあまり緊張を感じる性格ではありませんでしたね。自分で調べたり感じたりしたことを人に伝えるのが大好きで、学校帰りに母親をつかまえては「今日学校でこんなことがあってね」としゃべっていた。アナウンサーとしての今の仕事は、そうしたワクワク感の延長上にあるものですので。

 でも、入社して初めてテレビでニュースを読んだときはメチャメチャ緊張しましたね。顔が真っ赤になって。じつはそのときの映像が残っているんですよ。収録直前には「はあっはあっ」って肩で息をしていて……。恥ずかしくて、今ではとても見ることができません。

――それはお宝映像ですね(笑)。現在、住吉さんの担当番組の1つである『プロフェッショナル 仕事の流儀』では毎回一流のゲストの方が登場するわけですが、そうした人と対峙されるときはどんな気持ちなんでしょう?

住吉: 『プロフェッショナル』に出演される方は、皆さんそれぞれのオーラを持っていらっしゃるので、それに圧倒されるのではなく、生で触れて何か学びとりたいという気持ちで臨みます。それは緊張というより、良い意味でのプレッシャーですね。

 印象に残っている方はたくさんいらっしゃいますが、たとえばイチローさんは、部屋に入っただけで空気がビシッと緊張するようなオーラを持っていました。勝負の世界の人だから、こちらも本気で臨まないと見透かされてしまう気がしたんです。だから収録前にごあいさつしたときも、「絶対に目をそらさないようにしよう」と決心して挑みました。

 イチローさんのときもそうでしたが、『プロフェッショナル』では「おかしなことを聞いたら帰ってしまうかも」というプレッシャーは強く感じます。でも、私の場合はそういうプレッシャーを感じれば感じるほど、「がんばらなくちゃ」「私がしっかりしないと」という思いも強くなる。自分自身が熱く一生懸命になれるという点で、プレッシャーはむしろプラスに働いています。茂木健一郎さんにうかがえば、きっとそういうときには何か脳内物質がどばっと大量放出しているんでしょうね(笑)。