2008年6月10日に行われたイー・モバイルの発表会では、中国Huawei社製の「H11HW」と、台湾HTC社のスマートフォン「EMONSTER lite(S12HT)」の2機種を投入することが発表された。データ通信に主軸を置くなど他のキャリアとは一線を画す戦略を展開する同社だが、新たに投入された機種からは何が見えてくるだろうか?

同社の戦略的に重要な端末は「H11HW」だ

 読者の注目度が高いと思われるのはS12HTであろうが、この端末はNTTドコモの「HT1100」と同じ端末がベースとなっており、無線LANを搭載しない点とキーボードが数字キーである点以外はEMONSTER(S11HT)と大きく変わらないようだ。会場ではモックのみの展示であったため、実際に中身を触れることはできなかった。

 今回の同社の戦略においてむしろ重要な位置を占めるのはH11HWの方だ。これは先にも書いた通り、同社に基地局などを納入しているHuawei社製の端末である。高級車Bugattiをイメージしたヨーロピアンデザインを採用しているのが特徴となっているが、より大きな特徴はその中身と価格だ。

 機能的に見ると、200万画素カメラ、microSDカードスロットといった日本でも最低限必要とされる要素のほか、Bluetooth、HSDPAなどが搭載されている。H11Tなどと同様EMnetが利用できるので、端末上でのメールやWebが使えるほか、USBやBluetoothでPCに接続し、 モデムとして利用することも可能だ。おサイフケータイやワンセグ、Javaアプリなどの高度な機能は搭載されていないが、用途を絞ればそれなりに利用できる端末といえる。

 だがディスプレイを見ると、違和感を抱かずにはいられない。今や日本ではQVGAが当たり前、WVGAが一般化しようとしている状況の中、なんとQCIF(176×144ピクセル)を採用しているのである。QCIFサイズのディスプレイといえば、NTTドコモでいえば低価格を目指したSIMPUREシリーズ、それより前では900iシリーズ以前のFOMA(N2051iなど)に匹敵するサイズで、3世代以上前の端末と同じレベルである。

 また海外の端末をそのまま持ち込んでいる影響からか、日本の通常の端末で、クリアキーの位置に割り当てられているキーが、別の機能に割り当てられているというのも、違和感を抱かせる大きな要因となっている。日本語入力エンジンにATOKを採用するなど使いやすさを目指している部分はあるものの、H11Tと比べると使い勝手の面ではマイナスに働く要因が多い。