アクオスケータイで世界展開するシャープの狙い

 こうなるともはや、ケータイサービスを引っ張っていくのはアップルとグーグル(あるいはマイクロソフトもここを狙っているはずである)になり、端末メーカーは、これらプラットフォームのいずれかを採用することになろう。またこれまでケータイサービスを主体的に提供してきた通信キャリア各社は、アップルやグーグルに対し、通信ネットワークを提供するだけの、「ネットワーク提供事業者」になっていく。わが国の端末メーカーも、この将来像を描き、通信キャリアに頼らない体制を意識してきたところは、新しいプラットフォームを得ることで一気に世界に向けて羽ばたいていくことになる。シャープのアクオスケータイが世界展開する報道発表もあったが、シャープやパナソニックなどは、この「近未来のケータイサービス」を想定して事業展開を行っているということだろう。一方で、これまでのビジネススタイルを頑なに守り、通信キャリアに仕えてきた端末メーカーにとっては苦難が訪れるに違いない。ケータイにコンテンツを提供してきた、コンテンツプロバイダにとっても同じことがいえよう。

 ということで、iPhoneがわが国のケータイサービスにもたらす影響は、このように計り知れないものなのである。

固定、移動体、ブロードバンドなどの境目をなくし、サービスをオープン化させていくためには、既存の「垂直統合」型ビジネスモデルから、「水平分業型」ビジネスモデルへの移行が必至となる。この水平分業の中で一番重要になるのが「課金・認証プラットフォーム」である。ここを狙っているのがアップルとグーグルというわけだ(画像クリックで拡大)

著者

木暮祐一(こぐれ ゆういち)

1967年東京都生まれ。携帯電話研究家、武蔵野学院大学客員教授。多数の携帯電話情報メディアの立ち上げや執筆に関わってきた。ケータイコレクターとしても名高く保有台数は1000台以上。近著に『Mobile2.0』(共著)、『電話代、払いすぎていませんか?』など。http://www.kogure.biz/