広告業で新しい収益モデルを確立を目指すGoogle

 目まぐるしく進化するインターネットの世界では、Web2.0というキーワードも古くさいと感じる人がいる。「今はWeb3.0ではないのか?」といった冗談も聞かれる。最初から意味のないバズワードだったという人もいる。Web2.0という言葉はクラウドコンピューティングやウィキノミクスといったキーワードに分解されたと見ることもできる。

 だが、Web2.0の提唱者ティム・オライリー氏は、4月22日から25日にサンフランシスコで開催された「Web 2.0 Expo」の講演で「Web 2.0 Is Not Over(Web2.0はまだ終わっていない)」と明言した。彼は、Web2.0的な技術は先行しているものの、Web2.0の理念は企業活動にまだ深く浸透していないと見ているようだ。オライリーの発言に合わせるように、従来技術先行型と見られてきた「Google」も、Web2.0の理念ともかかわるオープンな信頼性を企業の収益の根幹に置き始めた。

 5月19日にイギリスのハートフォードシャーで、ブラウン英国首相も交えて開催された「Googleツァイトガイスト会議」で、「Google」の創設者であるセルゲイ・グリム氏とラリー・ページ氏は、SNSなどで個人を会員として囲い込んだインターネット企業が、過度にターゲット広告を展開することの危険性を訴えた。彼らは、インターネット広告事業の展開を焦って利用者からの信頼を失うことになれば、健全なビジネスが期待できなくなると言う。

 「クッキー」と呼ばれる技術を使うと、誰がどのようにインターネットを利用しているかを追跡できるが、これに会員認証を組み合わせれば、特定の利用者の志向性まで分かるようになる。しかし、そうした技術はむしろ人々をおびえさせ、新しい広告ビジネスの弊害になると言うのだ。

 すでにGoogleは昨年の時点で、個人情報にかかわる可能性のあるクッキー情報の蓄積を18か月に限定すると明言している。さすがは「Google」だと言いたいところだが、これにはやむをえない理由がある。

BBC(英放送協会)によるとイギリスのハートフォードシャーで開催された会議ではマイクロソフトとグーグルの関係も問われた