やはり登場した「Google Health」

 「Nike+iPod」に関しては、最新のガジェット「Nike+SportBand」も話題になっている。これは、シューズからの情報を、iPodではなく、「SportBand」と呼ばれるリストバンドで受信し、そのまま「Nike+」に送信するものだ。これに心拍数の計測装置がついたら“完璧”ではないだろうか。

 とはいえ、「Nike+」はランニング情報の管理までで、健康全般には及んでいない。しかし、その先にあるのが健康・医療だというのは、ネット業界の誰もが想定していた通りだった。

 これまで、人気の高いWebサービスを次々と取り込んできたグーグルが「Google Health(グーグル健康管理)」をいつ登場させるかというのは、かなり前から言われていた。それが、5月19日、ついに実現したのだ。サービスの名称は予想通り「Google Health」となった。

 「Google Health」は個人の身長・体重・疾病履歴・服用中医薬品など、個人の健康情報を管理するためのサービスだ。これに「Nike+」のような専用のガジェットが用意されれば、血圧、体重といった日々の健康状態をWeb上で管理できるようになるだろう。そこまで進化すると、薬害や公害など、従来ならマスメディアで取り上げられるまで分からなかった集団的な健康被害が、情報共有によって自然に判明する可能性もある。

 問題は、健康状態といった究極の個人情報までWeb上に公開していいのだろうかということだ。医療は保険にも関連するので、昨今のWeb情報漏洩ニュースを思うと一抹の不安も残る。

「Google Health」の健康・医療情報は現段階では英語のサービスのみ。サービスとしての充実が期待される一方で、個人情報の問題も議論されることになるだろう

著者

佐藤 信正(さとう のぶまさ)

テクニカルライター。1957年東京生まれ。国際基督教大学卒業後、同大学院で言語学を学ぶ。小学生のときにアマチュア無線技士を免許をとり、無線機からワンボード・マイコンへ興味を移す。また初代アスキーネットからのネットワーカー。通信機器や半導体設計分野のテクニカルライターからパソコン分野へ。休刊中の「日経クリック」で10年間Q&Aも担当していた。著書「Ajax実用テクニック」「JScriptハンドブック」「ブラウザのしくみ」など。