コンパクトなカタチでも実力派の自然な映像

 今回の撮影は、GW後半の曇り空の公園で行った。予定していた撮影日があいにく雨天となったため都心の公園での撮影となったが、何を撮っても寒々しかった冬と比べれば、新緑に囲まれたこの季節は曇り空でも映りは良い。まさにこれからがビデオカメラの活躍するシーズン本番といったところだろう。

 屋外に持ち出して使ってみると、あらためてコンパクトなボディーに機能を凝縮したHDR-TG1の良さを感じる。今回はバッグで持ち歩き、撮影の合間はポケットに入れて移動してみた。液晶を収納するとスクエアな形に収まるHDR-TG1は、一般的な横型タイプの丸みを帯びた形よりも、スペックの数値以上に持ち歩きやすく感じた。

 スクエアデザインながら、手に取ったときにしっかり握れるようになっているため、ストラップを使ってホールドしながらバランスを取る、一般的なビデオカメラのような煩わしさもない。形といいホールド感といい、なかなか絶妙だ。

 出荷時点で「クイックオン」が有効になっており、ポケットから取り出して液晶ディスプレイを開くと、すぐに電子式レンズカバーが開いて撮影状態になる。これもスナップ感覚で撮影する使い方にピタリと合う。

 もう一つ実際に構えてホールドして映像をみたところ、小型デザインながら手ブレ補正もよく効き、ワイド端なら手持ち撮影でもブレはさほど気にならない。最大までズームしたテレ端ではブレが避けられないものの、それほどひどいブレにはならないので、特に手ブレを意識せず扱えるはずだ。

撮影時のスタイルは片手でグリップが基本。手ブレ補正もしっかり効く(画像クリックで拡大)

スナップスタイルの本体にはやや無粋な気もしたが、サンプル映像は三脚にセットして撮影した(画像クリックで拡大)

 実際に撮影した映像は、ソニーらしい非常にバランスの良い映像に仕上がっている。コンパクトなカメラながらほどよく精細感があり、明るめの色彩で全体のバランスがピタリと合っているため自然に見られる映像だ。気付いた点は、全体に中央の被写体以外の映りが若干甘く、“ボケ味”と呼ぶにも中途半端なように思えた程度だろうか。ビデオカメラの映像は各社とも大抵色味にクセがある中で、大きく気になる点がないという意味では優秀な部類に入るだろう。

発色は基本的に穏やか。ハマれば明るく鮮やかな色を出せる。これが今回撮れた最も派手な色のものだ(画像クリックで拡大)

精細感はなかなか高い。上位機種のような超高精細ではないものの、無理な輪郭強調もないため、拡大しても見られる(画像クリックで拡大)

 なお、今回の動画撮影には1920×1080ドットで撮影できる唯一のモードである「FHモード(16Mbps)」を使用した。付属8GBの撮影時間は約55分と、1時間にはわずかに満たないものの、スナップ用途には十分事足りる。撮影モード別の撮影時間は別表を参照してほしい。

ハイビジョン記録の撮影時間

録画モード (平均ビットレート) 動画記録時間
別売メモリースティック(16GB) 付属メモリースティック(8GB)
1920記録 FHモード(16Mbps) 約1時間50分 約55分
1440記録 HQモード(9Mbps) 約3時間50分 約1時間55分
SPモード(7Mbps) 約4時間40分 約2時間20分
LPモード(5Mbps) 約5時間55分 約3時間

 撮影時間は、別売の16GBのメモリースティックPRO DUOを購入すれば最高画質でも最大約1時間50時間まで延びる。ここまでくれば、メモリースティックPRO DUOのメディアを使ったビデオカメラというよりも、内蔵メモリー感覚で扱えるようになるため記録メディアの互換性もさほど気にならない。ちなみに、付属バッテリーの連続撮影時間は約1時間35分。ビデオカメラの常として、長時間を求めるならバッテリーの同時購入も検討するべきだろう。