一般住宅のインスペクション(建物調査)を数多く行う不動産コンサルティング会社「さくら事務所」。住宅の“現場”を知り尽くす同社の創業者・長嶋 修氏が、不動産業界の裏のウラまで解説する。

 さて、前回のコラム の続きだ。玉石混交の中古住宅の中から、「お宝ヴィンテージ住宅」を見つけるコツとはズバリ、「誰もが敬遠する物件を狙え」だ。

人気高いリフォーム物件より、みすぼらしい物件のほうが得

 住宅も人間と一緒で、「第一印象」が大切だ。お化粧を施してある物件、つまりリフォーム済みの物件は、人の関心を引きやすく人気が集まる。だから早く、高く売れる。

 しかし、買う立場からすれば、“お化粧前”の物件が狙い目だ。築10年を過ぎて、屋根や外壁の修繕をしていなければそれなりに陳腐な感じ、みすぼらしい雰囲気がする。庭も手入れもされていなく、室内も掃除が行き届いていないなど、要するにあまりきれいでないほうがよい。売りづらいからだ。とりあえず売りに出してはみたものの、引き合いもなく売れ残っているケースが多い。こういった残り物には、まさに「福」があるのだ。

 私の不動産仲介営業時代の経験をお話しよう。リフォームを前提として古い中古住宅を案内するのだが、人間とは不思議なもので、いくら「リフォームすれば見違えるようにきれいになりますよ」といっても、感覚的に納得がいかないものなのだ。そして割高な新築や、すでに業者の利益が乗ったリフォーム済み物件を購入していく。

 だからこそ、こういった物件を安く買い取ってリフォーム後に利益を乗せ、転売する業者が多くいるのである。割安でオトクな買い物をしたいなら、業者が買い取って転売する前に、自分がゲットしてしまえばいい。売れ残り物件は、値引き交渉に応じてもらえる可能性も高いのだ。このとき、建物をチェックするポイントを、大きく3つ紹介しよう。