縁結びどころか、別離を暗示する「試練の兆」

 それは、「試練の兆」を引いてしまったときだ。

 東京大神宮のおみくじには、「恋みくじ」のように箱に手をいれて選ぶタイプのほか、「振り出し」で木の棒を引くタイプがある。振り出しの「縁結びみくじ」には、恋愛運だけが書かれているのだが、中にはこんなドキッとする“指針”も授かってしまう。

 交際――相手の心が離れかけています もう一度あなたの方を向いてくれるように努力●●●●

 出会い――理想どおりとは違う出会いかも●●●● じっくり検討してみましょう

和紙人形の「恋みくじ」の両側に結んであるのが、恋愛運のみ書かれた「縁結びみくじ」。この文面に目がとまった。「試練の兆」と書いてある(画像クリックで拡大)

がーん。恋愛道はいいことばかりではない、という戒めのメッセージなのか

 これが「試練の兆」だ。何パーセントの確率で入っているんだろう? 恋愛に「試練」はつきものだが、ひょっとしてあの彼女、これを引いたんだろうか……。

 平日、一人で来ていた30代半ばとおぼしき女性が、境内の一角で、広げたおみくじを手にいつまでも読んでいる。なんとなく眺めていると、周りの人はちらちら動くのだが、彼女だけが石像のように固まっている。しばらくして再び彼女に目をやると、まだ読んでいる。鬼気迫るものがある。そしてやにわに、おみくじを広げたままケータイ電話を取り出し、プッシュし始めた。ええ? 相手はもしやカレ? いま対峙(たいじ)するの?

 ――さて次回は、大行列の土曜編。そもそもオンナはなぜ占いが好きで“縁結び”に行列するのか? 一方、なぜオトコはそうしないのか? アンケート回答で得た、男性vs.女性の心理分析をお伝えします。お楽しみに!

(つづく)

土曜日の大行列(画像クリックで拡大)

著者

赤星千春(あかぼし ちはる)

「?」と「!」を武器に、トレンドのリアルな姿を取材するジャーナリスト。