『昴』はないが『北国の春』はあったモソ族のカラオケ

 酒造会社を出て、白井嬢と二人でトイレに行ったのだが、戻ってくると、車で待っているはずのおっちゃんの姿が消えていた。付近を探し回ると、なぜか近くの飯屋で数人の男たちと食卓を囲んでいるではないか。そして、こっちへ来いと手招きしている。

 そこでは、モソ人の帽子をかぶり、がっちりした体格の、50がらみのおじさんが酒を飲んでいた。トクシのおっちゃんによると、彼が濾沽湖の村長だという。村長は、「さー、飲め!」と言って、小さい杯を差し出した。注がれたのは雲南の白酒。四川の白酒のような強い香りもなく、ソフトで飲みやすい。しかし、何度も乾杯させられてヘロヘロになり、このあたりから記憶がプッツンと飛んでいる。

おっちゃんは中国語で、私は日本語で一緒に熱唱(画像クリックで拡大)

 かなり酔っぱらい、宿へ帰ったときは、もう真っ暗になっていた。するとおっちゃんが「カラオケに行こう!」と言い出した。なんと普米飯店の一階はカラオケスナックで、歌好きのおっちゃんは、夜な夜なここで歌っているというのだ。私はこんな展開を予想して、日本から「昴」と「北国の春」の歌詞カードを持参していた。調べてもらうと、「昴」はなかったが、「北国の春」があった。曲がかかると、おっちゃんは中国語で、私は日本語で一緒に熱唱。おっちゃんはかなり歌がうまく、その後も一人で歌いまくっていた。

 翌朝8時頃、トクシのおっちゃんが宿の部屋までやってきた。今日はこの3日間着ていたヨレヨレの服ではなく、新しい服を着て登場。モソ族の男の人は、みんなスリムで背が高くてイケメンぞろいだ。女の子にもエキゾチックな美形が多い。おっちゃんも、いつも「へっへっへ?」とくだけているが、まじめな顔をするとけっこうかっこいい。

 せっかくだから、白井嬢のプライベートカメラでおっちゃんのポートレートを撮ってあげよう! ということになり、外へ出た。そして、おっちゃんの相棒である愛車の前でパチリ。なかなかキマッている。