ニチバンの「テープのりDS」は希望小売価格420円。詰め替えは294円

 突然だが、みなさん、テープのりという道具を使ったことがあるだろうか?

 たいていの場合、ちょっと大柄な修正テープのような形だが、修正テープの代わりにのりがつく。水分を含まないので、スティックのりなどに比べ、仕上がりが美しく手早い。形は修正テープに近いが、感覚的には両面テープに近い。でも裏紙をはがさなくてもよいから簡便である。

一般的な使い方は、修正テープの要領で引くとのりがつく仕組み。きれいにのり付けでき、手につきにくい(画像クリックで拡大)

 しかし、その使用感について周囲に聞いてみると、思いのほか芳しくない。特に私の周囲では女性からの評価が低く、多くの人から「思ったところにまっすぐ引けない」という答えが返ってくる。

 テープのりは、巻いてあるフィルムに塗布されているテープをローラーなどで紙面に押しつけて転写する道具である。使い方はいたって簡単。そのローラーを紙面に密着させた状態でただまっすぐ引けばよい・・・ということはみんな分かっている。しかし、テープのりが使いにくいと感じる人のほとんどは、紙面に対して本体を垂直に立てて押しつけたまままっすぐ引くということがうまくできない人だ。じつはこれは人間の構造に起因していて、人間と道具のインターフェイスにとって非常に重大な問題の一端を示している。

 もともと人間の関節は、ほぼ回転運動しかできない。肩も、肘も、手首も、指も、どれも骨と骨の継ぎ目を軸に「回る」ようにできている。普段何気なく道具を使っているときは、それらの関節のいくつかを同時に調節しながら屈伸させ、擬似的に直線的な動きを作り出したりしているのだ。

 人間の関節は回転運動をするようにできているのだから、無意識に引っ張ると多くの人は肘や肩を中心にした円弧状の軌道を描こうとしてしまい、偏った力がかかってしまう。このせいでローラーは、若干ずれた角度で紙に押しつけられたまま無理矢理引っ張られ、なかなかまっすぐに引くことは難しい。場合によってはテープがローラーを外れて、ヨレてしまったりする。