ペー族名物・乳扇はチーズ味のお菓子

 町は古城の中全体が巨大なテーマパーク状態で、ぺー族の民族衣装を着た女性が普通に歩いている。チーズのパリパリしたような乳扇をくわえながらプラプラ歩くと、すぐに酒屋発見。李さん情報で大理のぺー族伝統酒は梅酒だときいていたが、まさに「梅子酒」と壺に書いてある。お店のおばさんに聞くと、白酒に梅を漬け込んだり、梅のエキスを入れたりして造るらしい。味見させてもらうと、甘いのや酸っぱいのや、いろいろな種類がある。梅製品もいろいろあって、梅酒に漬けた青梅のようなものや、梅干しそっくりのものまである。私が購入した「青梅酒」は、アルコール12%、梅の他に砂糖と蜂蜜が入っている。飲むとサッパリしていて甘さ控えめな、まさに梅酒である。

ペー族の名物・乳扇(画像クリックで拡大)

青梅酒(画像クリックで拡大)

梅子酒を試飲する筆者(画像クリックで拡大)

 夜はぺー族料理の店で名物の砂鍋魚を食べた。大理の面積の17%を占める湖・洱海(じかい)の魚を使った料理である。好きな魚を水槽から選び、好きな野菜を店頭で選んで料理してもらう。油も使っていないし、辛くもない。澄んだスープに魚と野菜の旨味が出ているあっさり味。ううむ、ウマい! 梅酒や梅干しがあるし、料理もあっさりしているし、ぺー族文化は日本人の嗜好に似ているようで親近感が持てる。

砂鍋屋の店先(画像クリックで拡大)

砂鍋魚(画像クリックで拡大)

 翌日は、朝から崇聖寺三塔を見に、三塔倒影公園へ行く。この公園の池に写りこむ三塔の景色が有名なのだ。なかなかの絶景をカメラにおさめ、ロープウェーで蒼山に登った。ロープウエーは往復60元(約960円)もして、「高っけー!」と思ったが、乗ってみると片道20分くらいかかるので、まあよしとしよう。山頂には観光客を乗せた馬がいたので、どうやら馬で登ってくるという方法もあったらしいが、どちらが安いかはわからない。

三塔(画像クリックで拡大)

 午後からはバスに乗って、19キロ離れたぺー族の古鎮、喜州へ行った。着いてみると、たしかに町は古かったが、ガイド以外ぺー族の衣装を着ている人もなく、名物の乳扇もなく、ただの小さな田舎町だったので、ちょっとがっかり。だが、隅から隅まで町を歩き回り、町はずれにようやく酒屋を発見した。若い兄ちゃん一人が店番をしている。

「すみません、ぺー族の民族酒が飲みたいんですが」
と言うと、
「ここでは造ってないけれど、昆明で造っているものならありますよ」
と言って、飲ませてくれた。「包谷酒(パウグチュー)」と称する、トウモロコシの蒸留酒だとのこと。飲むとあのイ族の酒とそっくりである。漢族の白酒みたいに50度とか60度といった強いアルコール度数はなく、あってもせいぜい40度くらいか。白酒独特の土臭さもなく、ひじょうに飲みやすい。兄ちゃんと筆談をしながら酒を飲んでいると、あっという間に村人たちに取り巻かれてしまった。酒屋の店先で地酒を飲む外国人の女が、そうとう珍しかったらしい。

喜州の酒屋で酒を飲む筆者(画像クリックで拡大)