一度つながってしまえば、あとは有線LANと全く同じ!

 これでPLCを使ってDLNAによるホームネットワークを活用する準備が整った。実際に録画済みの番組を再生してみよう。

 テレビ側からの操作は、有線LANでもPLCでも変わりはない。電源をオンにしてBRAVIAのメニューを操作すれば、前回家庭内LANの環境で試したのと同じようにホームサーバーのアイコンが並ぶ。あとは選ぶだけでアクセス成功。「もしやPLCだと回線速度が遅くてコマ落ちするのでは……?」と心配したが、その心配もなく通常のLAN回線経由と同じように再生できた。地上デジタル放送と比べてビットレートの高いBSデジタル放送でも問題ナシだった。

PLCアダプターから引いたLANケーブルをBRAVIA KDL-26J3000につないで、DLNAのホームネットワークに参加させるのが今回の狙いだ(画像クリックで拡大)

 

実際に使ってみると……あっさりアクセスに成功。使用している感覚は前回家庭内LANで使用したのと全く同じだ(画像クリックで拡大)

 

地上デジタル放送の番組も問題なくPLC経由でも選択できる(画像クリックで拡大)

 

早送り・早戻しの操作も特に問題なし。PLCだから通常のLAN接続と比べて特に何か違うということは全くない(画像クリックで拡大)

 これでPLC通信を使ったホームネットワークの検証も完了。今回はきちんと(?)サーバーの見えない位置からテストができたので、本格的なホームネットワーク感覚を味わえた。

 ただ、今回の検証で明かになった「PLCアダプタを使ってもつながらない部屋がある」というのは大きな誤算だった。実際に検証した環境でも他の機器を減らせば多少は改善する余地もあったかもしれないが、実際には電源コンセントを空けるというのはまずムリ。普通の部屋でも据え付けのコンセントはエアコンとテレビ1台あるだけで埋まってしまうのが当然だ。そう考えると、今回の検証結果は残念な結果になってしまった。PLCはホームネットワークのネックだった配線の大変さを一気に解消する方法としてPLCに期待していただけに、もう少し安定性の向上が必要だろう。

※編集部注:一般家庭の単相三線式100V配線は「L1相」と「L2相」に分かれており、L1同士の「同相」に比べてL1とL2をまたぐ「異相」の方が減衰率が高い。事務所の1階と2階などで分電盤が異なる場合は、激しく減衰するため通信できないと言われている。

 実際に使用できた環境で言ってしまえば、DLNAのホームネットワークに利用しても速度的に問題は全くなかったので、PLCのポテンシャルは十分だと言える。いずれにせよ、DLNAに対応した機器は今後増えてくるし、その際には家中のネットワーク機器をどうつなぐかというのは誰も悩むことだろう。そのときには、一度はPLCによる電力線通信も選択肢として検討してみるといいのではないだろうか。

DLNA対応+PLCによるホームネットワークの実用度は!?

★★★☆☆(5点満点)

PLCの実用性については導入する環境に依存する話。問題なく使える環境なら★★★★★だけど、環境を選ぶということで★★★。DLNAのホームネットワークは問題なく使えているので、導入さえ上手くいけば両者の相性はバッチリでしょう。

著者

折原一也(おりはら かずや)

雑誌編集者からAVライターに転身。専門誌などでテレビ、次世代ディスク、ホームシアターなどを手がけ、時には若手AV評論家と呼ばれることもある。