日本ほどビジュアル系ロックバンドが多い国は世界中を見渡してもほかにない。その理由に、ビジュアル系の大ファンというマーティ・フリードマンが迫る。さらに最近リリースされたビジュアル系4組の新曲を分析。そしてJ-POPのビジュアル系シーンに多大な影響を与えたX JAPANの功績を語る。

なお現在発売中の「日経エンタテインメント!」12月号(表紙・長澤まさみ)では、「リップスライム」「GReeeeN」「ファンキーモンキーベイビーズ」を批評しています。こちらもどうぞ。

 ここ数年、再評価されつつあるビジュアル系バンドだけど、僕は超大好きです。というのも、そもそも僕は子供のころKISSに衝撃を受けてロック魂に目覚めたというのもあって、やっぱりロックバンドというのは音楽だけじゃなくて、イメージもかっこよくあってほしいからです。

70年代を代表するハードロック/ヘビーメタルバンド。その奇抜なメイクは、日本の歌舞伎を彷彿させる。(C)Steve Granitz Archive/WireImage.com(画像クリックで拡大)

 だけど今のアメリカやヨーロッパには、見た目が地味なバンドが多くて、外見のイメージを重視してるようなバンドは、逆にバカにされる傾向もあるんだよね。ちなみに女性アーティストもそうで、ルックスが良すぎると、どんなに素晴らしい音楽を作っていても、しょせんアイドルソングって思われちゃう…。でも僕は、それだとつまんないじゃんって感じてしまう。

 その点、外見のイメージを表現の一部として取り入れてる日本のビジュアル系は、世界に誇れる最高の文化です。「ロックをやりたい!じゃあ、まずは見た目をどうかっこよくしよう?」という発想は僕は正しいと思う。

 J-POPならではの見た目も重視する現象は、「形」を大事にするし、「形から入る」ことを否定しないという意味で、日本文化の表れなのかもしれないよね。アイドル級にかわいい女の子も音楽性が高ければ、アーティストとして評価されるし(笑)。それにスポーツでもみんなフォームがきれいじゃん。

 J-POPにビジュアル系が多いのは、日本には昔から男性が派手に化粧をして舞台に立つ歌舞伎の文化があるじゃん。だから、ビジュアル系バンドはその進化系なのかもって、僕は勝手に想像してます。

 そもそもビジュアル系は、歌舞伎に影響されたという説もあるKISSやデヴィッド・ボウイみたいな化粧する洋楽ロックアーティストから生まれた、と考えるとビジュアル系は日本文化の逆輸入じゃん。だから、日本人にマッチするのは当たり前なのかもしれません。