発する超音波の間隔で獲物を狙う姿が目に浮かぶ……

 しばらくすると、酒井編集長が「これ、おもしろいよぉ?」と言いながら歩み寄ってきた。そこで、2人が十分満足するのを待っていてくれたのか、金子さんが教えてくれた。

 「注意して聞いてみてください、時々、音が加速しているの、わかりますか?」

 そう言えば、基本的には「ピチュ、ピチュ」という音だけれど、たまに「ブブブブブ……」とものすごい速さに加速したりしていた。

画像をクリックしてください。アブラコウモリ(もしくはモリアブラコウモリ)の「バズ音」が聞けます。「バズ音」とは、虫を追いかけて、今まさに採餌するぞという時の音だという。録音時のBDの周波数は42-43kHz位(ピーク)(データ提供=緑生研究所)
※注:PCの環境によっては試聴できなかったり、スムーズに試聴できない可能性があるのであらかじめご了承ください。

 コウモリは超音波を発しているが、年がら年中発しているのではなく、「プッ、プッ、プッ、プッ……」と断続的に、すなわち「パルス」として放射している。この超音波のパルスが対象物に跳ね返って戻ってきた反射音(エコー)を耳や鼻にある特殊な器官で感知しているのである。

 イルカなども暗い海の中で利用しているこの位置探査方法を「エコロケーション」と呼び、このとき発せられる超音波のことを「エコロケーションパルス」と呼ぶ。

 金子さんの説明によると、コウモリは標的からの反射音に合わせてパルスの放射頻度を変化させることで、標的情報の更新頻度を調整しているらしい。そして、コウモリは獲物を発見すると、エコロケーションパルスの放射頻度を急激に上昇させる。つまり、「ブブブブブ……」と加速しているということは、まさに「獲物」をとらえる直前、「食べ物ゲットだぜぇ?!」という歓喜の瞬間なのである。

 そんなことを教えてもらっちゃったりしたら、さらにおもしろさ倍増だ! だって、目には見えないけれど、闇の中でコウモリが何しているのか、バットディテクターからの音で、ばっちり想像できちゃうんだから!

 しつこいようだけど、もう一度言っておこう。 これ、めっさおもろいでぇ?(ものすごくおもしろいですよ)!