コウモリの発する超音波を、人間の耳にも聞こえる音に変換する機器「バット・ディテクター」。「コウモリ(Bat)探偵(Detector)」の名の通り、どこ? どこ? どこから来ぅ~るんやろか、夜の闇に紛れて姿を見せずに飛び回るコウモリを、「目」ではなく「耳」で見つけ出すために使用される秘密兵器である。

 自然環境および生態系のリサーチ用に、一部のプロフェッショナルが使用する専門家用電子機器だったので、これまでは海外から高値で輸入するしかなかったこのマシン。最近では、巷(ちまた)でもよく耳にするようになった「環境アセスメント調査」など、環境への意識が高まってきたこともあってか、さまざまな価格、種類、性能のものが比較的手に入りやすくなってきたという。

 科学の力で超音波の鳴き声(?)を聞き分けながら、闇の奥底にコウモリの存在を感知する……こんなオモシロい話、尼崎太郎がほっとくわけないっしょ!

 地球環境に興味のあるあなた! 動物好きのあなた! 「自分は哺乳類だけれど、いつか、あの大空を飛びたい!」と願っているあなた! 夜行性のあなた! そして、ドラキュラの末裔(まつえい)かもしれないあなた! 今回は必読です!!

いきつけのジャズバーで語りかけてきた男

 尼崎太郎は、いきつけのジャズバーで「なんかおもろい科学ネタ、あれへん?」とマスターに話しかけていた。すると、すぐそばのカウンター席に座っていた顔見知りの常連である永野治さんがマスターの代わりに答えてくれた。

 「バット・ディテクターってご存じですか?」

 尼崎太郎が首を振ると、永野さんは言った。

 「コウモリって超音波を出しているでしょ?」

 それくらい知っている。コウモリは超音波を発して、その跳ね返り具合で対象物との距離を測る。だから、真っ暗な夜の闇の中でも障害物を避けたり、飛んでいる虫を器用にとらえて食べたりできるのだ。

 「その超音波を人間の耳に聞こえるようにして、そこにコウモリがいるかどうか探知する機械なんですよ」

 あっ、だから“Bat(コウモリ)”の“Detector(探偵)”というわけか!

数あるバット・ディテクターの中でも、最もポピュラーなマシンとして人気の高い英国製の「Ultra Sound Advice MINI-3」(画像クリックで拡大)