音楽情報の発信源として知られるタワーレコード渋谷店のランキング上位に入った海外の楽曲から、注目のアルバム、アーティストをご紹介。一通り視聴しておけば、あなたもちょっとした洋楽通に!?


【アルバムチャート】
順位 タイトル アーティスト名
『ウィー・アー・ザ・ナイト』 SUM 41
『ツァイトガイスト』 スマッシング・パンプキンズ
『ペイパー・ウォールズ』 イエローカード
『ウィー・アー・ザ・ナイト』 ケミカル・ブラザーズ
『シークレット・ウェポン』 MXPX
『オール・ザ・ベスト・ソングス』 ノー・ユース・フォー・ア・ネイム
『ウィル・リヴ・アンド・ダイ・イン・ジーズ・タウンズ』 ジ・エナミー
『ロドリゴ・イ・ガブリエラ』 ロドリゴ・イ・ガブリエラ
『ザ・ミックス・アップ』 ビースティ・ボーイズ
10 『ミラード』 バトルズ
調査期間 2007年7月15日~7月22日/データ提供:タワーレコード渋谷店

 先週のチャートでは、スマッシング・パンプキンズの7年ぶりとなる新作『ツァイトガイスト』が1位を獲得した。オリジナルメンバーはビリー・コーガンとジミー・チェンバレンのみという再結成に、感慨深い思いを抱いた人も多いのではないだろうか。

 「フジロックフェスティバル」が開催される今週のチャートでは夏フェス出演者の勢いが強く、「サマーソニック」に出演するSUM 41の『アンダークラス・ヒーロー』が初登場で1位を獲得。スマッシング・パンプキンズを1週で首位から引きずり下ろしたほか、MXPXが5位、ジ・エナミーが7位と、サマソニの出演者から3組がランクイン。一方、フジロックの初日に出演するイエローカードの『ペイパー・ウォールズ』も初登場で3位を獲得し、さらにケミカル・ブラザーズが4位、ビースティ・ボーイズが9位、バトルズがチャート圏外から10位と、フジロック出演者が4組もランクインしている。

 約3年ぶりとなる新作『アンダークラス・ヒーロー』が1位になったSUM 41は、カナダ出身の“悪ガキ”パンクバンド。痛快でストレートなサウンドが特徴で、2000年にシングル「メイクス・ノー・ディファレンス」でデビューし、これまでに3枚のアルバムをリリースしている。フロントマンのデリック・ウィブリーは、アヴリル・ラヴィーンの夫としても有名だ。今年のサマーソニックには夫婦そろって同じ日に出演するが、アヴリルがメインステージのサブヘッドライナー、SUM 41が第2ステージのヘッドライナーとなっている。

 今作を制作するにあたってSUM 41は、リードギタリストであり、古くからの友人であるデイヴ・バクシュの脱退というバンド史上最大の危機を迎えた。一時はアヴリルが加入するといううわさもあったが、そのアヴリルとの結婚を経て、結局、後任者を決めないままアルバムを完成させている。

 こうして出来上がった『アンダークラス・ヒーロー』だが、アルバムリリース前に先行配信されたアルバムタイトルナンバー「アンダークラス・ヒーロー」と「マーチ・オブ・ザ・ドッグス」(イントロがかっこいい!)には、強烈な米政府批判が含まれている。特に「マーチ・オブ・ザ・ドッグス」には「大統領は死にました」という歌詞が含まれており、ブッシュ米大統領への脅迫になるのではないかという論争になっているのだとか。

 『アンダークラス・ヒーロー』はユニバーサル・ミュージックによる日本公式サイトで全曲試聴できる。脱退したデイヴへの決別を歌ったアコースティックソング「ソー・ロング・グッバイ」もぜひ! また、「MySpace」上の彼らのページでは、「アンダークラス・ヒーロー」「ウォーキング・ディザスター」「カウント・ユア・ラスト・ブレッシングス」「ウィズ・ミー」の4曲をフルで公開中だ。米政府を敵に回した悪ガキたちの痛快サウンドを堪能してほしい。

アイランドレコードによる『アンダークラス・ヒーロー』のアルバム公式サイトでは、「アンダークラス・ヒーロー」や実在しない父親をテーマとした「ディア・ファーザー」「プル・ザ・カーテン」のプロモーションビデオがフル試聴できる

 今週はさらに、デビューアルバム『ウィル・リヴ・アンド・ダイ・イン・ジーズ・タウンズ』が6位に入ったジ・エナミーにも注目したい。英国中部コヴェントリー出身の3人組。近年は良質のバンドが大量にデビューし、今年も「iPod」のCMで世界的にその名が知れ渡ったフラテリスをはじめ、クラクソンズやエンター・シカリといったニューレイヴ勢などのバンドが登場しているが、その中でもジ・エナミーは本命と評されているバンドだ。

 その理由は、上記のバンドと違って王道とも言えるブリティッシュを奏でている点。アークティック・モンキーズが好きなら必聴のバンドだろう。そのアークティックとは、共に英国の若者の日常を描いた歌詞がよく対比されるが、本人たちは「アークティックが歌っているのは週末のこと。オレたちは労働者についてだ」としている。

 アークティック同様、10代にしてUKアルバムチャートを制した『ウィル・リヴ・アンド・ダイ・イン・ジーズ・タウンズ』は、デビューシングルでもある「40デイズ&40ナイツ」のほか、「アウェイ・フロム・ヒア」「ハド・イナフ」「イッツ・ノット・オーケー」がワーナーミュージック・ジャパンによる日本公式サイトで試聴が可能。さらに、「MySpace」上の彼らのページでは「ハド・イナフ」「アウェイ・フロム・ヒア」「イッツ・ノット・オーケー」「ダンシング・オールナイト」の4曲がフル公開されているので、豊作のUKで絶賛される音をぜひお試しあれ。ちなみに、サマーソニックでは8月11日大阪/8月12日東京のメインステージでオープニングを飾ることとなっている。

ジ・エナミーの公式サイトでは、日本盤ボーナストラックの「フィア・キルド・ザ・ユース・オブ・アワ・ネイション」や、アルバム未収録の「MESSAGE TO YOU RUDY」が試聴できる

筆者紹介 コジマ リョウヘイ
1975年東京生まれ。学生時代よりマスコミを志し、業界紙を発行する新聞社に入社。03年からNarinari.comにライターとして参加し、06年フリーに。音楽、野球、漫画、ファッション、酒と出費がかさむ趣味を持つため、日々ストイックな生活を強いられている。購入した車が1カ月で炎上するなど、運のなさは一級品。