6月、ボーカルのアンソニー・キーディスの急病により延期されていたレッド・ホット・チリ・ペッパーズの単独日本公演が5年ぶりに行われ、7月7日には世界11都市で同日開催された「LIVE EARTH」の日本公演でリンキン・パークが会場を熱狂させました。

 こうした中、これらミクスチャーロックの元祖とも言えるビースティ・ボーイズが、今年の「フジロックフェスティバル」に出演します。彼らの夏フェス出演は2004年の「サマーソニック」以来、来日公演としては2年半ぶりですから、待ちかねているファンも多いのではないでしょうか。

フジロックフェスティバルの公式サイト。ビースティ・ボーイズは28日午後9時30分からグリーンステージで公演の予定。“4人目のメンバー”とも言えるマニー・マークも今年のフジロックにソロで出演するので、お互いのステージに飛び入り参加……なんていううれしいハプニングが期待できるかも

 さて、そのビースティ・ボーイズは、最新作『ザ・ミックス・アップ』を6月25日にリリースしたばかり。アルバムは洋楽チャートでも2週連続でベストテンをキープするヒットとなっていますが、予備知識もなくこのアルバムを聴くと、いつまで経っても歌が始まらないことに驚かされます。そう、『ザ・ミックス・アップ』は全編インストゥルメンタル作品となっているのです。

 結成26年を迎えたビースティ・ボーイズの突然のインスト作品リリース、何か狙いがあるのでしょうか。メンバーが世界のメディアに語った話をまとめると「最初からインスト曲と決めていたわけではなく、レコーディングしていくうちに自然とそうなった」というのが正解のようです。計画的でも苦し紛れでもなく、なんとなくインスト作品になったという点が彼ららしいですね。公式サイトでアルバム7曲目の「オフ・ザ・グリッド」のプロモーションビデオ(モノクロでかっこいい!)が閲覧できるほか、「TOWER.JP」では全曲試聴可能。インストアルバムとは言えどファンクを前面に押し出した新境地を開拓しており、マニー・マークのキーボードも印象的です。

ビースティ・ボーイズの公式サイト。ハードコア・パンクバンドとして1981年にスタートしたビースティ・ボーイズですが、ヒップホップ色を濃く打ち出したファーストアルバム『ライセンス・トゥ・イル』でブレイク。「スケーターズ・パンク」と呼ばれた彼らの楽曲は、ヒップホップが全米を席巻する一因となりました

 先述した「LIVE EARTH」のロンドン公演に出演した際には「サボタージュ」などの後世に語り継がれる名曲に交えて『ザ・ミックス・アップ』から「オフ・ザ・グリッド」を披露していたので、フジロックでもニューアルバムの楽曲が少なからず演奏されそうです。また、2004年のライブのもようを50人のファンが撮影したドキュメンタリー映画「ビースティ・ボーイズ 撮られっぱなし天国」もDVD化されているので、フジロックに参加予定の方はチェックしておいたほうがいいかもしれませんね。

 『ザ・ミックス・アップ』以外にもコラボレーションアルバムとしてのインスト作品を年内にリリースするというビースティ・ボーイズ。さらに、インストオンリーのライブも企画中で、次回作の制作もすでに始まっているとのこと。今年から来年にかけて活動が加速していきそうです。

「LIVE EARTH」の公式サイト。デビューしたばかりのビースティ・ボーイズをツアーの前座に起用したマドンナらとともに出演したロンドン公演のもようはこちらで閲覧できます

筆者紹介 コジマ リョウヘイ
1975年東京生まれ。学生時代よりマスコミを志し、業界紙を発行する新聞社に入社。03年からNarinari.comにライターとして参加し、06年フリーに。音楽、野球、漫画、ファッション、酒と出費がかさむ趣味を持つため、日々ストイックな生活を強いられている。購入した車が1カ月で炎上するなど、運のなさは一級品。