セキュリティ対策ソフトだけで儲けようとは思っていない

「更新料がゼロになった分、ぜひパソコンを楽しく使うためのソフトにも目を向けてほしい」と語る小嶋さん

――「ウイルスセキュリティ」を実際に作っているのは海外のメーカーになりますか?

 小嶋氏:ソフトを開発しているのは、インドのソフトウエアメーカー、K7コンピューティングです。ただし、ユーザーが実際に操作するインターフェース部分はソースネクストで設計し、裏で動いているエンジン部分はK7コンピューティングで開発するという分担体勢をとっています。

 ――K7コンピューティングは昔からセキュリティ対策ソフトを作ってきた会社なのでしょうか?

 小嶋氏:インド国内で1990年台の初頭からセキュリティ専門メーカーとしてソフトを開発してきた会社です。歴史的に見ても古いほうに入る会社だと思います。インド国内ではK7コンピューティングとしてセキュリティ対策ソフトを販売していますが、「ウイルスセキュリティ」の開発をするようになった3年前からは、自社ブランドのソフトより「ウイルスセキュリティ」の開発に力を入れてもらっています。

 ――定義ファイルの更新頻度は?

 小嶋氏:通常は週1回です。ただし、急激に広まるウイルス(ソースネクストの定義では、かかりやすさが中以上)が発生した場合は即時対応しています。

 ――週1回でも問題はないということでしょうか? 今後増やす予定はありますか?

 小嶋氏:最近は毎日更新されているメーカーもありますが、以前は週1回更新というメーカーがほとんどでした。事実、それで問題なかったのですが、更新頻度を気にされるお客様が増えていらっしゃるようなので、増やす方向で準備をしています。現時点では問題は起きていませんね。もちろん今後の状況次第、あるいはユーザーから毎日更新してほしいといった要望が強くなれば対応していきたいと思います。

 ――最近はフィッシング詐欺など、ごく一部のユーザーを狙った犯罪が増えています。ソースネクストではどのように対応していますか?

 小嶋氏:世界的に広まっているウイルスなどについてはK7コンピューティングが情報を収集して対応しています。その一方で春先に話題に合ったWinnyウイルスのような日本独自の脅威などにはソースネクスト社内で監視し、適宜情報をK7コンピューティングに送り、対応しています。

 ――「ウイルスセキュリティZERO」のサポート期間は最長何年間になりますか?

 小嶋氏:ウイルスセキュリティZEROのサポート期間は、マイクロソフトが「Windows Vista」をサポートする期間に準じます。具体的なサポート期間は個人向けの「Windows Vista」が2014年末、法人向けのVistaは2016年くらいまでになると思います。

 ――ソフトのユーザーサポート(コールセンター)も同様に最長10年間受けられるのでしょうか?

 小嶋氏:はい。マイクロソフトが「Windows Vista」をサポートしている間は、ソースネクストも「ウイルスセキュリティZERO」のユーザーサポートを続けます。

 ――ちなみにパソコンを買い替えたときでも、ソフトは使い続けられますよね?

 小嶋氏:もちろん使い続けられます。本製品はOS対応型製品なので、Vistaやxpが動作するパソコンであれば、  買い替えられたパソコンに「ウイルスセキュリティZERO」をインストールする際に、「ご利用開始のお手続き」で元のエントリー情報を入力することで、引き続きお使いいただけます。

 ――「ウイルスセキュリティ」にはいろいろなパッケージが用意されていますが、違いを教えてください。

 小嶋氏:どのパッケージも、中身のソフトウェアはすべて同じで、「ウイルスセキュリティ」という総合セキュリティ対策ソフトになります。その上で1年ごとに更新が必要な「ウイルスセキュリティ」(実売価格:1980円)、更新料が無料の「ウイルスセキュリティZERO」(実売価格:3970円)があり、さらに複数台にインストールできるパッケージなどを用意しています。「ウイルスセキュリティZERO」を発売して以来、2台用(実売価格:5970円)と3台用(実売価格:7980円)の商品が従来より売れています。

 ――最後に、ソースネクストとしての今後のビジョンを教えてください。

 小嶋氏:「お客様にとってうれしいことは何か?」ということを前提に考えてから、儲かる儲からないという判断をする。「ウイルスセキュリティZERO」は、こうした考え方の末に生み出されたソフトです。

 ソースネクストはセキュリティ対策専門のソフトウエアメーカーではありません。この点を心配される方もいますが、それは逆にセキュリティ対策ソフト以外でも商売できるという強みにもなります。正直、セキュリティ対策ソフトだけで儲けようとは思っていません。今やセキュリティ対策ソフトはインターネットを楽しむ上では必需品となりました。パソコンソフト市場でもセキュリティ対策ソフトの売り上げが占める割合が毎年増えています。しかし、セキュリティ対策ソフトというのは、パソコンを楽しむためのソフトではありません。多数のソフトウエアを販売するソースネクストとしては、セキュリティ対策ソフトだけにお金を使ってほしくない……というのが基本的な考え方です。更新料がゼロになった分、ぜひともパソコンを楽しく使うためのソフトウエアにも目を向けてほしいですね。

■関連情報
・ソースネクスト http://www.sourcenext.com/

筆者紹介 原 如宏(はら・ゆきひろ)
 ゲーム誌、インターネット誌、パソコン誌を経て今に至る。記事の信条は製品やサービスの仕組みを理解することより、ユーザーが得る幸せ(メリット)を追求すること。製品選びはデザイン性と機能性の両面を持ち合わせているモノを好む。理不尽なこと、複雑で込み入った話題に切り込んで、スッキリ解決させる脱・テクニカルライター。