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そのあと、屈折式望遠鏡と太陽投影板を使った観察も行なわれたが、真っ白な板に投影された太陽は、メガネを通して肉眼で見るのに比べると、どうにも味気ない。黒点でも見えれば「おおっ!」となるのだろうが、現在は太陽の活動があまり活発でない周期に入っているらしく、黒点が現れていないのだという。皆既日食当日は、僕が少年のころに使っていた天体望遠鏡を引っ張り出すつもりだが、子供たちと一緒に世紀の瞬間を楽しむには、手軽に観察できる手づくりメガネがよさそうだ。

皆既日食を観測するための道具がそろったら、あとは天気だ。屋久島は言わずと知れた雨の島。それだけに、天体観測には常に天気の心配がつきまとうが、こればっかりは運を天に任せるしかない。世紀の瞬間は、7月22日の10時56分に訪れる。その日が雲ひとつない晴天に恵まれ、今世紀最大ともいわれる天体ショーが、僕たちの暮らすこの地で壮大に繰り広げられることを、心から祈ろう。

菊池 淑廣(きくち・よしひろ)

1969年、東京生まれ。1993年にスポーツウェアメーカーに入社。一貫して広告宣伝の仕事に携わり、自ら撮影、コピーライト、デザイン制作までマルチにこなす。

2005年4月、家族共々屋久島へ移住。それと同時に広告事務所「屋久島メッセンジャー」を設立し、雑誌やウェブサイトなどを通じて屋久島の情報を発信しながら、広告プランニング、撮影、コピーライト、ロケ・コーディネートなど、幅広く活動している。著書に「屋久島で暮らす あるサラリーマンの移住奮闘記」(山と溪谷社)。

ブログ「フォトライター菊池の屋久島移住ライブ日記」も公開中。

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