
我が家に帰り着いたら、早速収穫したつわんこの下ごしらえに取りかかる。1本1本、茎の表皮をむかなければならず、これが地道で面倒な作業なのだ。素手でむくと時間がかかる上、指が赤紫色に染まって何日も落ちなくて厄介なのだが、今回は妻が「カミソリでそぎ落とす」という、至ってシンプルな方法を友人から教わったらしく、これによって格段に能率が上がった。とはいえ、1本ずつ作業をしなければならないことに変わりはない。妻がカミソリで皮をそぎ落としたら、娘がハサミで根元と葉を切り落としていくという、母娘の共同作業が小一時間ほど続いた。
そしてこの日の食卓には、「豚肉とつわんこの甘辛煮」が並んだ。
「どれどれ……。うん、うまいっ!」
自分たちで収穫したものは、その日の晩にビールと一緒にいただくのが最高で、この上ない幸せな気持ちになる。
「ほんとだ! おいしいね」
娘も自らの手で引っこ抜き、そして下ごしらえしたつわんこを、おいしそうに頬張った。一方息子はというと、収穫の喜びが伴っていないせいか、あるいは友達の家でおやつを食べてきたからか、採れたての味覚に感動する様子もなく、あまり口にしていなかった。自然の恵みを存分に堪能するには、やはり自分の手で収穫するのが一番だ。屋久島では、ぼちぼちタケノコが旬を迎えつつある。今度は息子を連れて、「たけんこ狩り」に繰り出すとしよう。





