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離島の骨折騒動

2009年3月16日

「お子さんが登校中に転んで、腕を痛めたみたいで……。迎えに来られますか?」

ある日の朝、息子の担任の先生からそんな電話がかかってきた。この日は朝から雨のぱらつく天気で、そのせいもあってか、通学途中で足を滑らせて転倒したらしく、右腕をひどく痛がっているという。

「分かりました。すぐに伺います」

そう言って電話を切ると、仕事も中途のまま、念のため保険証を持って学校へ向かった。

息子は小さいころにも、何かの拍子に肘関節を脱臼したことがある。腕が動かないと言って泣き叫ぶので、もしや骨折したのではないかと慌てて病院へ連れていくと、幸いにも脱臼という診断。その場で外れた関節を元に戻してもらうと、何事もなかったかのようにケロッとしていたのを思い出す。今回も大事に至っていないことを願いつつ、学校に到着して保健室を覗き込むと、息子は泣き疲れた様子でイスに座ってうなだれていた。

「大丈夫か?」

「………」

返事がない上に、はっきりうなずかないところを見ると、あまり大丈夫ではなさそうだ。

「腕を動かすと痛がるので、三角巾で固定しておきました。とりあえずお医者さんに診てもらったほうが……」

「そうですね。このまま病院へ連れていきます」

離島の医療事情は厳しいのが一般的だが、屋久島は比較的恵まれているほうで、大きな総合病院のほか診療所もいくつかある。とはいえ、分野によっては専門医が常駐しているわけではないので、少々やっかいな病気やケガの場合は、鹿児島本土の病院へ行くことを勧められるケースも少なくない。そうなれば医療費以外の出費もかさむわけで、離島に暮らす以上は覚悟しておかなければならない問題のひとつだ。

息子の腕をなるべく動かさないようにしてクルマに乗せると、とりあえず近くの整骨院へ向かった。そこにレントゲン設備がないのは知っていたが、「骨」の専門医であることに変わりはない。

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