僕の住む船行集落の一角に、厳かに佇む船行神社。古来よりお産と子宝の神様として有名で、島内各地から多くの女性がお参りに訪れていたと聞く。資料等が残されていないため詳しい由来は不明だが、境内に樹齢約700年の大杉が植えられていることから、それ以前に建立されたものと推測され、島内では「益救(やく)神社」に次いで2番目に古い神社だと言われている。
このように船行神社は古くから島人の暮らしと密接に結びつき、今も集落の人々の拠り所となっている。木々に囲まれた境内はまさしく鎮守の森といった雰囲気で、村人にとっては憩いの場であり、「十五夜綱引き」などの伝統行事が執り行なわれる神聖な場でもある。夏の風物詩、盆踊りもまた、神社の境内で行なわれる集落行事のひとつだ。
従来、船行の盆踊りは青年団が取り仕切っていたらしいのだが、若い世代は年々減り続け、現在は団員が二人しかいないのが現状だ。二人だけで仕切るのはさすがに無理なので、毎年役員と青年団OBが一緒になって運営にあたっている。4月に船行区の役員になった僕も、今年は盆踊りの裏方を務める立場だ。
盆踊りの会場づくりは、前日の8月14日に行なわれた。朝8時に神社の境内に集合すると、まずは鉄管を組んでの舞台づくりだ。結構大変なのかと思いきや、舞台のパーツはすでにキット化されている上、僕以外の全員が勝手を分かっているので作業は至ってスムーズだ。それが終わるとテントを立ててテーブルとイスを用意し、提灯の電球をチェックしたら、この日の準備はそこまで。水に弱い音響機器と提灯の設置は、当日の天候を見てからの作業だ。もしも雨に降られた場合は公民館で行なうらしく、そうなればこの日の準備が無駄骨になるばかりか、せっかくの盆踊りも興ざめだ。それもこれも雨の心配がつきまとう屋久島では仕方あるまい。





