子供たちが夏休みに入ると同時に、屋久島は2週間以上もの間、ほとんど雨の降らない、青空の広がる夏らしい天気に恵まれた。ところが8月のある日を境に一転し、雨が降ったりやんだり、たまに陽が出たとしてもスコールのような激しい雨に見舞われるなど、不安定な天候が続くようになった。
「お父さん、今日、海に行きたい」
そんな中、山には雲がかかりながらも、海の方は久しぶりに青空が広がったある日、家でくすぶっていた娘がここぞとばかりにそう言ってきた。
「そんなら、宮之浦川がいい!」
この前の川遊びで、大岩からの「ダイブ」に味を占めた息子も、話に割って入ってきた。
「今日は仕事だからなぁ。もっと近場なら連れていってもいいけど……」
「じゃあ、春田浜は?」
「この前行ったとき、あんまりきれいじゃなかったじゃん」
そこは我が家から最も近い海水浴場だが、ここ最近、砂が撹拌(かくはん)されずに沈殿してしまっていて、透明度があまりよくない。スノーケリングが目的でなければ、別段支障があるわけではないが、どうせ遊ぶならきれいな海の方がいい。





