「お父さん、夏休み、ボク走りたい!」
夏休みに入るや否や、息子がそんなことを言い出した。というのも少し前に、「夏休みの目標を決めようよ。毎朝走るとか、ラジオ体操をするとか……」などと、家族で夏休みの過ごし方について話していたからだ。
「おっ、やる気になったか。じゃあ、お父さんと一緒に走るか?」
「うんっ! どこを走るの?」
「田んぼをぐるっと回るのが、ちょうどいいかもね」
我が家の海手側には広大な休耕田が開けていて、そこを1周して帰ってくるとちょうど2キロくらいある。山と海の眺めも素晴らしく、散歩やジョギングをするには持ってこいのコースだ。
「何時に起きて走るの?」
「そうだなぁ……。朝じゃなくて、夕方に走ろうか?」
「なんで?」
「朝だと帰ってきてシャワーを浴びるだろ。その分、ガスと水がもったいないじゃん。夕方だったら、帰ってきてそのままお風呂に入っちゃえば、1回で済むからさ」
仮に息子が頑張って、夏休みの期間、毎日走るとなれば、我が家の水道光熱費は相当かさむことが予想される。僕としては、夕方6時過ぎに仕事を中断させられるよりは、早朝に走ったほうが都合はいいのだが、それよりも家計と環境に配慮して、「ロハス」な選択をしたわけだ。
「お父さん、行こっ!」
夕方6時を回ると、息子はさっさと着替えて、仕事中の僕をあおってくる。
「キリがいいトコまで、もうちょっと待っててよ……」
そしてなんだかんだ6時半近くになって、ようやく準備体操をして家を出る。





