「モウソウチク」に「マダケ」に「コサンダケ」……。屋久島では幾種ものたけのこが、時期をずらしながら収穫できるので、比較的長期にわたって春の味覚が楽しめる。
「そろそろマダケの時期やねぇ」
「じゃねぇ(そうだねぇ)。“モウソウ”は、もうよか(もう飽きた)……」
5月に入ると、そんな会話があちこちで聞かれるようになる。モウソウチクの旬が終わる頃、入れ替わるようにしてマダケが出始めるのだ(昨年の記事)。
モウソウチクといえばたけのこの「代表選手」だが、地元ではそれよりも断然美味だとして、マダケを好んで食する。天ぷらやみそ汁にするのもいいが、モウソウチクのように灰汁抜きする必要がないので、そのまま炭で焼いて食べるのが手っ取り早く、しかもうまい。僕たち一家もその味にすっかり魅了され、毎年この季節になると、たけのこ掘りに繰り出す。

「朝ご飯食べたら、“たけんこ”掘りに行くけど、一緒に行くか?」
ある休日の朝、子供たちをたけのこ掘りに誘ってみた。
「うん、行くっ!」
ジャガイモやら大根やら、とにかく掘るのが好きな息子が、間髪入れずに食い付いた。
「どこに行くの?」
「集落の裏にある竹やぶだよ」
「じゃあ、私も行く」
娘はどこか山奥まで歩いていくとでも思ったのか、その点をきっちり確認した上で、冷静に判断するところはさすがだ。




