(前編はこちら)
「このあと9時より、第25回鹿児島県幼児サッカーフェスティバルの開会式を行います。各チームの選手は、プラカードの前に整列してください」
開会式を告げるアナウンスが広大な会場に鳴り響くと、続々と出場選手たちがメイン会場に集まってくる。いよいよ開幕だ。幼児ながら、全125チームが一堂に会する光景は壮観。その中に交じって「すみれSC」のプラカードを握り締める息子は、緊張しているのかそれとも寒いだけなのか、微妙な表情を浮かべていた。

爽快な青空の下で開会式を終えると、第1試合は9時半から。すみれSCはAチーム、Bチームともに第1試合からの出場で、Aチームの対戦相手は、なんと昨年度の準優勝チーム。強豪とはいえ、所詮は同じ幼稚園児だ。結果は蓋を開けてみなければ分かるまい。
スターティングメンバーの8人が整列すると、息子の号令で全員一礼し、凛々しくピッチに入場する。ここは練習の甲斐もあって、戸惑う様子はない。対戦相手と握手を交わし、オレンジ色の小さな戦士たちは、緊張した面持ちでそれぞれのポジションに着く。
ピィーーーーー!
ホイッスルとともに、すみれSCのキックオフで試合は始まった。開始早々、あっけなく1点を許してしまうと、そのまま相手にペースを握られてしまい、次々に得点を重ねられていく。初戦とあって緊張したのか、それとも相手の技術が格段に上なのか、いつものプレーができないまま、時間だけが過ぎていく。相手ゴールラインの後ろでカメラを構える僕も、ほとんどシャッターを切るチャンスがないままに、試合終了のホイッスルが虚しく響き渡った。結果は7対0の惨敗。やはりAパートの壁は高く、その現実を突きつけられる結果となった。子供たちもそのことを受け止めているようで、息子をはじめ何人かが目に涙を浮かべながら戻ってきた。




