「帰りに木工用のボンドと洗濯バサミを買ってきてくれる?」
ある日、仕事で外出する際に妻から買い物を頼まれた。洗濯バサミが劣化して割れやすくなっていたのは知っていたが、木工用のボンドを何に使うつもりなのか、ピンと来ない。
「木工用ボンドなんて、何に使うの?」
「エコクラフト。最近流行ってるらしいのよ」
「エコクラフト?」
「うん。友達が教えてくれるっていうから、一緒にやってみようと思って」
聞けば、それは再生紙100パーセントの紙バンドを使った手芸のひとつで、カゴや小物入れなどを作るのだという。要するにエコロジーな素材を使ったクラフトだ。そういえば1年前の幼稚園のバザーで、手作りのかわいらしいバスケットがいくつか並んでいるのを見て、「素材は何を使っているのだろう」と気になったことがあった。今思えばそれこそがエコクラフトだったわけで、木工用ボンドも洗濯バサミも、実はそのために必要な道具だったのだ。
「午後から友達の家へ、エコクラフトしにいってくるね」
妻の仕事が休みのある日、友人宅で何人か集まってエコクラフトをするという。妻がこれに参加するのは2回目だ。
「なんか面白そうだね。オレも一緒に付いていっても平気かな……?」
「いつものメンバーだから、いいんじゃない」





