環境世紀ともいわれる21世紀に入って、人と自然との距離感はずいぶん縮まったように思う。老若男女を問わず、それまで登山の世界とは無縁だった人も、「癒し」を求めて山や森に入るようになった。それはそれでいいことだと僕は思う。もっと森のことを知り、自然のことを知り、環境について考えるきっかけになれば、その意義は大きい。しかし、その自然をいつまでも美しいまま残すためには、行政やエコツアーガイドらを中心とした地元の努力が必要なのはもちろんだが、そこを訪れる観光客にも、環境に対するより高い意識が求められよう。
看板や柵などなくても、もっといえば「縄文杉」や「もののけ姫の森」でなくても、そこに美しい樹々や森があれば、自らの感性で純粋に感動する。そんなシンプルで質の高い、そして何よりも思いやりをもった自然とのコミュニケーションが成り立てば、登山道からゴミがなくなったように、きっと「好循環」がもたらされるに違いない。近い将来にその日が訪れることを、切に願う。






