「夏休みの自由工作にちょうどいいかもよ。友達誘って参加してみる?」
「うん、やってみたい!」
島の小学生を主な対象にした、「屋久杉木工クラフト」なる催しがあるというので、娘を連れて参加することにした。地元の屋久島環境文化財団の主催とあって、参加費は無料。他にも「理科工作」と「自然観察」の教室があり、好きな科目を選択できる。大人にとっても興味をそそられる、屋久島らしい課外授業だ。
屋久杉工芸品といえば、屋久島を代表する特産品のひとつ。テーブルやつぼ、箸やアクセサリーなど、土産物店には実に様々な工芸品が数多く並ぶ。その特徴は何といっても、数千年におよぶ悠久の時が刻んだ美しい木目。そこには常識を超越した生命体の確かな「生き様」がにじみ出る。それらの価値が高いのは言うまでもないが、値段はものによって「ピンキリ」で、つぼなどの芸術品にいたっては、数百万円という値がつくものまであるというから驚く。

材料となる屋久杉は、今では伐採することができないので、「土埋木(どまいぼく)」と呼ばれる、江戸時代以降に伐採された切り株や倒木などが利用されている。栄養の乏しい屋久島の土壌で育つ屋久杉は成長が遅く、年輪が緻密で樹脂分を多く含む。伐採されて数百年を経た今でも、腐ることなく土に埋もれているのはそのためだ。
当日、会場となる屋久島環境文化研修センターへ行くと、すでに多くの子供たちで賑わっていた。木工室に入って、最初に道具の使い方の説明を聞いたら、まずは素材選びだ。




