7月最初の日曜日。僕の住む船行(ふなゆき)集落では、区民総出による町道と農道の草払い作業が行われた。これはどこの集落でも行われる奉仕作業で、道脇などのぼうぼうと繁茂した草木を刈る作業だ。集落によって、1年のうちに行われる回数や時期には多少のバラつきはあるが、この時期に行うところが多いようだ。
屋久島は雨が多いせいか、放っておくとすぐに草木が道路に覆いかぶさってくる。県道などの主要道はまだしも、ちょっと裏道にでも入ろうものなら、クルマが通れないこともあるほどだ。言うまでもなく草払いは、生活における重要な作業のひとつといえる。
早朝6時前、「ウィーン」という音が周囲から聞こえはじめる。グレーダーと呼ばれる肩掛け式の草刈機の音だ。サッカーワールドカップの注目の一戦、フランス対ブラジルは終盤に差し掛かり、目の離せない場面。6時集合ということだったので、それを見終えてから行くつもりだった。延長戦にもつれこまないことを願いつつ、試合終了のホイッスルとともに、急いで家を飛び出した。
昨年は安房集落で草払い作業を経験した。そのとき我が家には、グレーダーはおろかカマのひとつもなく、軍手一丁で臨んだ。島では一軒家のお宅ならグレーダーは必需品ともいえ、一家に一台といっていいほど普及している。これがあると奉仕作業でも活躍の場が広がるのだが、いかんせん1台2〜3万円と値が張る。しかし、軍手だけではさすがに戦力不足なので、今年はカマを購入して臨んだ。





