梅雨だというのに、いい天気が続いている。かれこれ4日は雨が降っていない。屋久島は梅雨でなくても、3日と天気はもたないことがほとんどだから、この季節にしては珍しい。しばらく見られなかったきれいな星空も広がり、ひと足早く、天の川が漆黒の夜空に白い弧を描いた。
昼間は太陽が出ると気温もぐんぐん上がり、梅雨明けを思わせる真夏のような暑さ。セミもそれと勘違いしたのか、いよいよ鳴きはじめた。とはいえ、「ジィー……」という低い鳴き声はどことなく控えめで、まだ力いっぱい鳴くのをためらっているかのようだ。
こう暑い日が続くと、涼やかな空気を浴びに、山の上の森を歩きに行きたくなる。どうせなら雨のパラつくときのほうが気持ちいいので、その日が来るのを待っていた。しばらく続いた天気も、さすがに5日目には太陽が身を潜めた。天気予報によると、その日は曇り時々雨。森歩きには絶好の天気になりそうだった。
早速カメラ機材の準備をしていると、みるみる空が暗くなってくる。と思いきや、次にはゴロゴロと雷が鳴りはじめた。とりあえず午前中は様子を見ることにして、デスクに向かう。しばらくすると再び明るくなり、今度は青空が広がった。これでは思惑違いだが、山の上は雨が降っていることを期待して、昼過ぎに山へ向かった。
森の入口に到着すると、晴れ間は出ているものの、パラパラと雨が舞っていた。里ではまだ弱々しかったセミの声だが、意外にも標高1000メートル付近の山の上では、時雨のように森いっぱいに降り注いでいる。小雨は肌にひんやりと心地よく、蝉時雨はなんとなく暑さを演出する。涼しいような暑苦しいような、不思議な感覚だ。





